今年もはやもう9月ですが,記録的猛暑の余波がまだ続いているのか,まだまだ秋らしい天候には程遠い日々です.
お盆には,松本城と安曇野に1泊旅行をしてきました.
神戸空港〜松本空港間にはうまい具合に早朝と夕方に便があり,フライト時間も1時間少しと非常に便利です.
かねてより訪れたかった国宝松本城は,最近耐震性に問題が見つかったため入場者数を制限している上,午後より雨模様になるという予報で午前中に観光客が殺到したため,天守に入るのに1時間余も並ぶ羽目になりましたが,その威容たるや,予想通り圧巻でした.
午後は松本市内を観光,宿泊は有名な星野リゾート「界 松本」で感動のホスピタリティー.
翌日はレンタカーで人気のわさび農園始め安曇野のスポットをまわり,絶品の信州そばも堪能しました.
以前のブログでも書いたように,コロナ禍以降は海外旅行に行けないこともあって,まだ訪れたことのない土地を地図上で塗りつぶしていくかのように,時間を見つけては日本各地に出かけています.
旅行は自分やかみさんの趣味ということもありますが,コロナ禍で大打撃を受けた観光地を少しでも応援したいという気持ちも後押ししています.
コロナ禍前は,全国あちこちで開催される学会に,勤務医の頃から仕事の合間を縫っては年に数回は出かけていましたし,ある意味楽しみでもありました.
私が出席する循環器系や外科系の学会は会員数も万単位ですから,定時学術総会となると,小さな地方開催都市のホテルは貸切状態のようになり,タクシーなどもまたとない稼ぎ時となりますし,夜は久しぶりに会う旧友や医局の知り合いなどで親交を温める機会になりますから,地元の繁華街もお祭りのように賑わいます.
コロナ禍が始まる少し前,金沢で日本循環器学会総会があった時は,申し込みが遅かったせいもあってか,あれほどの観光都市でもホテルがまったく空いておらず,近隣の富山や福井なら空いているといわれる始末で,結局特急サンダーバードで慌ただしく日帰り参加せざるを得ませんでした.
つまりそれほど全国から一地方都市に人が集まっていたわけです.
しかし,コロナ禍をきっかけとしたオンライン化の推進は,ビジネスの世界のみならず,学会活動にも大変革をもたらし,現地に実際に出向く必要がほぼなくなってしまいました.そして地方都市にとってはこのことが大打撃になったのは容易に予想できます.コロナ禍前は図らずも我々医療従事者も地方都市の発展に貢献していたわけで,今はその機会さえ激減してしまったということです.
我が家はふるさと納税もクリニックの節税対策も兼ねて限度額ギリギリまで行っていますが,返礼品への期待もさることながら,やはり旅行と同様の気持ちも働いています.
各地方自治体は,少しでも地元を活性化しようと,涙ぐましいばかりの努力をしているのが,返礼品に同封された,工夫を凝らした地元のパンフレットなどを見てもわかりますし,微々たるものとはいえ自分達の使ったお金が少しでも地方の活性化に役立っていると考えれば嬉しいものです.
海外からの入国制限も徐々に緩和されてきたとはいうものの,いつもながら政府のやり方はいまだあまりにも遅すぎます.まさに石橋を叩いて渡らず,「検討すれど実行せず」なのです.
当院に通っているフランス人の女性が,「だいたい自由を愛するフランス人が添乗員付きなんかで来日するわけないわよね」と苦笑,妙に納得しましたし,日本のやり方は「鎖国」と言われ世界から冷笑されているのは言わずもがなです.
そもそも,既に国内の感染者数は報告されているだけでも既に2000万人を超えており,未報告や未検査のケースも併せれば実数はそれを遥かに上回るでしょう.そしてワクチン接種率は年齢層に偏りはあるとはいえ,3回接種で65%とまずまずです.
入国者による感染の拡大を懸念する向きもありますが,彼等にしてみれば,これだけ国内に感染者がいるにもかかわらず厳しい入国制限をすることに何の意味があるのか,お笑い草ではないか?いうのが偽らざる心境でしょうし,私もそう思います.
このコロナ禍で我が国の危機対応能力の低さやデジタル化の遅れが一気に露呈し,今や一流の先進国などととても恥ずかしくて言えない我が国ですが,意外にも2019年の世界観光開発ランキングの総合順位でトップになるなど,観光産業が国内経済の再活性化の一縷の望みと言っても過言ではないでしょう.
しかも未曾有の円安,この千載一遇のチャンスを,政府にはゆめゆめ逃さないでいただきたいと思います.
Source: Dr.OHKADO’s Blog
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