一日に何十回と妻から長男に電話が鳴っている。
一緒に暮らしているはずの夫は、そんな妻の変化には目もくれず、
今まで通り、自分のしたいことを好きなようにやっている。
ある日、彼女は、大怪我をした。そこで、病気が判明する。
しかし彼女自身も、その病気を受け入れることが、
夫に見捨てられることだと肌で感じて暮らしてきた50年。
どうしても病を受け入れられず、否定し続ける。
否定するには医療に掛からなければ、それが一番いい方法だ。
夫にとっても、妻本人にとっても、
医療や介護ほど、自分たちの人生を脅かすことはない。
しかしだ。しかしだ。しかしだ。それでいいのか?
虐待という世界をご存知か?
いじめという世界をご存知か?
この夫婦の場合、彼らの子供が巻き込まれた。
医療や介護を否定する妻が、長男に
医療や介護の助けを内緒で求めたならどうだろう?
長男は母親の求めに応じ対応してしまった。
妻の病気のことに無関心の夫が、次男に、
医療や介護を無かった事にして、さらに、
妻の医療受診や介護申請という内緒事を
知っていても知らないふりをして
目を瞑って伝えていたら、どうなるかわかるだろうか?
また、さらに彼らの子供である次男が、
医療や介護に無知と言うか、無関心だったらどうなるか、、、、、、
妻は、夫と次男の前で、言う。
長男に騙されて病院に連れて行かれた。
病名をつけられ病人にさせられたのだと。
だから、私は病気ではない。
彼女はその後、長男や社会から
差し伸べてもらった手を振りほどき、
遠ざけることでしか、夫と次男の居場所に入れなかった。
そんな彼女は、夫と次男の無関心という虐待の中、人生を終える。
今なお、その長男は、夫と次男から、
妻の病気や介護を無かったことにした上に、
妻の医療費介護費は必要なかったとして
なぜか長男に請求が来る。再三再四、脅される。
こんな惨めな醜い世界が現に存在するのを知り、
今驚いている。でもこれもまた在宅医療の現実だ。
虐待は起こるべくして起こっている。
無知や無関心が、これほどまでに、虐待を正当化する。
社会からの孤立や、家族からの虐待は、
こんな風に、どんな場所でも、どんな時でも起こりえる。
昔、地域医療の自治医大の先生に教えてもらった
『仮性独居』と言う言葉を今、思い出した。
『仮性独居』これから増えていくと言ってたのが15年前。
まさに目の前で起こっている。増えている。
ザイタク医療に人生をかける覚悟ができた今、
この戦いに、人生をかけてもいいと思っている。
介護放棄や介護虐待は、どんな理由があるにせよ、僕は絶対に許さない。
無知や無関心が少しでも減って、素敵なザイタク文化を育てたい。
たとえそれが、もしも、もしも、父や弟のことで、
自分の身の上話だったとしても。。。。だ。
もう一度、言う((笑)) 僕は決して許さない。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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