おはようございます。
当ブログの読者の方から、「ETF運用会社の倒産リスクをどの程度想定すべきか?」という点についてご質問いただきました。
初めまして。いつもブログを楽しく読ませて頂いております。
長期投資を行っていく上でリスク軽減を目的に私もETF(VTI、VYM、XLP)をメインに運用しておりますが、ETFでの運用について最近ある疑問が生じました。
それは、今後リーマンショック以上の大暴落が訪れ、万が一、ETFの運用会社(バンガード、ステートストリート等)が倒産してしまった場合の話です。
投資信託と同様にETFも運用会社が倒産してしまった場合でも資産が守られることは認識しておりますが、運用会社が倒産してしまった場合にはその時点での株価で返金されることになるかと思います。
例えばVTIの株価は現在140ドル程度になりますが、半値の70ドル程度まで暴落してしまった状態で運用会社が倒産してしまった場合には強制的に含み損のまま取引が終了してしまい、結果として大損をしてしまう可能性があるのではないかと不安がよぎります。
お手数でございますが、この点についてお考えをお聞かせ頂けないでしょうか。
宜しくお願いいたします。
ご質問ありがとうございます。
投資のリスクについて考えていろいろ調べ始めると、あれもこれも気になってしまうということはよくある話です。
私も昔はそうでした。
最終的には、今悩んでいる問題が「自分の力の及ぶ範囲の問題か」を考えることが重要だと思います。
自分の力が及ばず、どれだけ考えても結論のでない問題に対して時間をかけすぎることはあまり有益ではありません。
ETF運用会社の倒産リスクをどの程度想定すべきか?
結論から書きます。
バンガードやステート・ストリートが倒産する確率はゼロではありませんが、そこまで心配しだすとキリがありません。
万が一の時も株式自体はDTCに別管理されており、顧客の資産は保護されていますが、繰上償還の可能性はあるでしょう。
また、含み損は損失を確定していないだけのことで、その時点で損をしていることには間違いありません。
きっぱりと一度損失を確定させ、他の会社の割安になっている株に乗り換えましょう。
投資をするうえでは、それくらいの覚悟は必要です。
以下、詳しく見ていきます。
現実的には世界トップのETF運用会社が倒産する確率は低い
バンガード、ステート・ストリート、ブラックロックの3社はETF運用会社としては世界トップ3の圧倒的な存在感を有しています。
私個人の考えとしては、これらのETF運用会社が何の予兆もなくあっという間に倒産するとは考えられません。
もちろん、ETF運用会社は金融株ですので、景気の動向によって株価が大きく左右されることは間違いありません。
金融危機の時には、株価を大きく下げることもあるでしょう。
ですが、これら3社のビジネスモデルや業界におけるシェア、過去の実績を考えても、肩を並べられる企業がパッと出てくるとは考えづらく、今後も圧倒的な競争力を維持し続ける可能性が高いです。
逆に言えば、
「バンガード、ステート・ストリート、ブラックロックが倒産するような事態が発生した時には、株式市場は阿鼻叫喚の地獄絵図である可能性が高く、個人投資家がジタバタ何をやっても無駄な状況」
ということです。
残念ですが、世の中どうにもならないこともありますので、そういった時は素直に諦めましょう。
米国株式はDTCに保管されており、運用会社とは別管理だが繰上償還はありうる
米国株式はDTCに保管されており、運用会社とは別管理になっています。
別管理とすることで、運用会社の経営状態が顧客の資産に影響しないように安全性を高めているわけです。
DTCは「保管」自体を専門業務としており、その安全性は極めて高いと言えます。
このように、資産自体は保管されているのですが、ETF運用会社自体が倒産した場合には、その会社が販売している商品自体は持続不可能になる可能性があります。
となると、繰上償還となる可能性は高いでしょう。
とはいえ、バンガードやブラックロック、ステート・ストリートがある日突然倒産するとは考えにくく、その前に逃げるチャンスは十分にありそうなことと、状況によっては他社が引き継いで運用を継続する可能性も考えられます。
また、VTIやVYM、XLPが総崩れになっている相場においては、他にも割安になっている銘柄がゴロゴロ転がっていることと思いますので、スパッと他に移るのも一手です。
ETF運用会社の分散もしておく手はあるが
上記のように、私個人としては、ETF運用会社の倒産というのは、少なくともバンガード、ブラックロック、ステート・ストリートのビッグ3に関しては心配に値しない事項だと考えています。
心配に値しないというか、個人レベルで状況を変えられるような事態でないため、心配しても仕方がないとも言えます。
それでもETF運用会社の倒産が心配という方は、せめてもの対策として、バンガード、ブラックロック、ステート・ストリートの商品を混ぜ込んでポートフォリオを組む手もあります。
いわゆる「会社の分散」というやつです。
ただし、ここまでやる意義は低い気もしますね。
まとめ
ETF運用会社が破綻するリスクというのはゼロではありませんが、自分の力が遠く及ばない問題ですので、長時間悩み続けるのは時間の無駄かもしれません。
私個人の考えとしては、バンガード、ブラックロック、ステート・ストリートのビッグ3に関しては心配するだけ無駄だと考えています。
こんな記事も書いています。
ステート・ストリートの「スパイダー」シリーズに、超低コストETFが追加されるという発表がありました。これで国内でのスパイダーの競争力が上がりそうです。
eMAXIS Slimとニッセイは国内の投資信託業界をリードする存在ですが、バンガード、ブラックロック、ステート・ストリートと比べれば小さなものです。
投資信託を選ぶ時には、実質コスト、純資産総額の伸び、トラッキングエラーに注意しましょう。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
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