26.5℃の最高気温も
午前中の一瞬だけ
午後には一気に気温が下がりはじめる
強風にあおられながら、
バス停まで一歩一歩、歩を進めてゆく
もう、カツカツと闊歩ができないため、
数分早めに家を出る――
そんな今日は『がんサロン』の日
久し振りに気持ちが乗らないのは
なぜだろう...
サロンへ向かう途中のいつもの公園
少し秋めいてきただろうか、
鬱蒼と生い茂っていた木々が、
なんとなく淋しく感じる
足元には、小さなイチョウの葉
噴水ももう夏終いだ
がんサロンに集う人たち
“がん”という、
得体の知れない病に翻弄され、
やってくる
治療をしていても、
治療が終わっても、
“再発”という不安は尽きない
先も見えない
「がんは、
どこまでひとを脅かすのだろう...」
と、思う
ここにいるときだけは、
『がんは治る病』
とは思えない
ここにいるときだけは、
『がんは、簡単には考えられない病』
そんな思いしかない
いつになれば、
がんは治る病になるのか...
いつになれば、
再発の不安が消えるのか...
そして、再発したがんが
治る日は来るのか...
がん治療の副作用もまた、
患者を苦しめる
患者も家族も、
みんな“がん患者”
帰り道
すっかり日が短くなっていた
これからは、
暗くて寒い、嫌な季節だ
さ、あすの朝は、6℃の予報
窓には今季2度目の結露となりそうだ――
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Source: りかこの乳がん体験記
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