≪私の記録 307≫ 乳がん患者、面接に行く ②

面接をしてくれた人は、
感じのいい人だった

職場もこれまでの経験が生かせそうだ

それに、私の職歴も
かなり買ってくれている

即戦力になると期待もしてくれている

面接では珍しく、
厨房の中まで見せてくれた

  他人を厨房に入れるなんて、
  ちょっと驚きだったが...
  (衛生的に
   仕事着以外(特に外套・外履きの靴)では
   中に入れないのが
   料理人としての常識)

...と、面接ではいい感じだった

が、乳がんのことは云い出せなかった

面接中、実は乳がんのことで
頭がいっぱいだった

『云うべきか...、
 それとも
 云わずにいたほうがいいのか...

 聞かれてもいないのに、
 突然、“私、乳がんなんです”って、
 なんかおかしくないか?

 いや、病気のことを云わないなんて、
 騙している感じがする

 いや、騙しているわけではない
 聞かれなかったから云わなかっただけだ

 いや、こんな狭い街
 病院に出入りするところを
 見られるかもしれない

 いやいや、
 誰かが私の病気のことを
 告げ口するかもしれない

 そうなったら、クビだ...』

でも実際、治療中で体調が悪い

それに、検査で
仕事を休まなければならないかもしれない

なにより、重いものが持てない...

とりあえず、

「重いものを持つ仕事とかありますか?」

とだけ聞いてみる

「重いもの? なんで?」

と、逆に怪訝に思われてしまう

「あ、いえ...」

「重いもの...特にないよ」

そして、乳がんのことは云えないまま
面接が終了

たぶん乳がんのこと云っていたら、
落ちたかもしれない

今週に入ってから、
ずーっとへこんでいた

全然元気も出なくて、
“死”しか頭になくて、
もうどうしようもないくらい
沈みまくっていた

でも今日面接を受けて、
人に触れて、
またその人がいい人で、
なんか気持ちが晴れた

「仕事はじめたらお金も入るし、
 以前から考えていた、
 『若年性乳がんと
 独身患者乳がんの会・ピンキー』を
 立ち上げられるかも...」

とか、

「こういう勢いのあるときに、
 体験記の出版も実現するかも」

とか、希望まで生まれてしまった

今まで、「死にたい」「死にたい」と
思っていたけれど、
『がんサロン』の執筆や本の出版など、
やり残していることが引っかかっていた

そしてそれが、
“私のやりたいこと”だと気づかされた

やりたいことを残したままだと
この世に未練が残る

無念は悔やまれる

「人は、心の作用が
 本当に大きく影響するのだな」

と、今さらながら実感する

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Source: りかこの乳がん体験記

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