アセトアルデヒドを分解してくれるのが「ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)」です。ところが、日本人は約40%の人がこのALDH2の活性が弱い「低活性型」のため、お酒に弱い体質といわれています。
先ほどの研究では、英国の中高年3万6678人を対象に、脳のMRI(核磁気共鳴画像法)の画像を解析した結果、少量の飲酒、つまり1日に純アルコール換算で8~16g程度でも、習慣的な飲酒により脳が萎縮し、悪影響がある可能性が示唆されている。ビール1缶(350mL)が純アルコール換算14g程度であり、日本では1日20g程度が健康を害さない「適量」の飲酒だといわれているから、酒飲みにとって8~16gというのは、本当に「ほんの少し」の量なのだ。
先生、酒飲みにとっては見逃せない論文が発表されましたが、この結果をどうとらえたらいいのでしょうか?
「今回の論文では、確かに少量の飲酒を継続した人でも脳が萎縮していますが、肉眼で見てもほとんど分からない、解剖学的には非常にわずかな萎縮です。研究方法は正しいと思います。しかし、ソフトウエアで解析した結果、萎縮していることが明らかになっているものの、認知機能にどの程度影響があったのかについては言及されていません」(柿木氏)
「肉眼では分からない程度の萎縮」と聞いて、ほんの少しだけ心が軽くなる。だが、わずかでも萎縮していることには変わりない。それにより、認知症のリスクが上がるのではないかと心配してしまう。
「繰り返しになりますが、論文では認知症のリスクがどのぐらい上がるかについては触れられていません。そもそも、お酒をたくさん飲む人の脳は、飲まない同年代の人の脳と比べて、10~20%ほど萎縮していることが多い、という研究は以前からありました。しかし、そういった研究でも、アルコールによる脳の萎縮で認知症のリスクが大きく上がったとはいえなかった。今回、少量飲酒でもわずかに脳が萎縮するということが明らかになったわけですが、やはり認知症のリスクが上がるとは考えにくいでしょう。このレベルの飲酒であれば何の問題もありません」(柿木氏)
アルツハイマー型認知症や前頭側頭型認知症などでも脳の萎縮が起きているわけだが、それらでは海馬や前頭葉、側頭葉など、脳の認知機能にとって“要”となる部位が萎縮している。それに対し、アルコールによる脳の萎縮は、「脳全体」に起きているのが特徴だという。
ゲノムデータの解析結果による、お酒が強い遺伝子タイプの人の割合が相対的に高い都道府県は、1位 青森県、2位 沖縄県、3位 岩手県、4位 秋田県、5位 山形県という順位になりました。
上位に東北エリアが集中し、2位の沖縄県以外は東北エリアに近い各県が10位以内にランクインしています。
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Source: 身体軸ラボ シーズン2
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