死の前日まで、僕もザイタク医でありたい。

医療機関

3月26日は、親父の誕生日。

そして命日。明日だ。享年79歳。

 

 

歯科医の親父は旅立つ前日も歯科技工室にこもって、

義歯を作っていた。最後のスタッフが教えてくれた。

 

僕が小学4年生9歳の頃に開業してから、

ずっと同じ場所大阪府茨木市の総持寺で、

歯科医院を40年。義歯も外注ではなく、

最後まで自分で作っていたようだ。

 

2年前の3月26日は、日曜日。

だから前日は土曜日で夕方まで、

入れ歯を作っていたことになる。

 

そして、帰りにいつもの場末のスナックに行って、

お惣菜とお酒かなんかで、誕生日祝いをしてもらい、

一人自宅に帰って、翌日は、又飲んでたのかなあ。。。

 

死体検案書によると、24時間以内の入浴中に、

急性心筋梗塞で、亡くなっていたようだ。

 

葬儀は、患者さんの事があって僕は参列できなかった。

なので、少し落ち着いた頃、検案頂いた先生に面談し、

詳細を教えて頂いた。有り難いことに様子も見せて頂いた。

 

親父が幸せで穏やかな最期だったと、思いたい。

 

 

 

旅立つ前年の父の日バラの花束を贈った。

その時の電話の声が、時々聴こえてくる。

 

俺は、まだまだ歯医者止めへんからな。

お祖父ちゃん(倉吉で歯科医だった。)が、

80まで働いとったんやから、俺だって、

それは越えてまだまだ90までやるからな。

 

親父は、78歳の最後の日まで働き、

79歳になった日、天国に旅立った。

 

自分の仕事の最後の日を、今日、

親父の命日の前日に考えてみた。

 

聴診器をもって、患者さんの心音も声も、

ちゃんと、聴けていたら、いいなあ。

 

出来れば、祖父や親父を越えてたい。そして、

翌日一人、こっそり死ねたらいいな((笑))。

 

 

バラの花束、喜んでたなあ。

僕の中にある親父の最後の声。

 

良かったら聴いてください。

 

 

 

 

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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」

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