おはようございます。
今回は、Xでお付き合いのある龍馬さん(@t_ryoma1985)の「下落相場どうしてる」という企画に参加させていただきました。
📘【参加型企画|#下落相場どうしてる】
「このまま積立続けていいのかな…」
「ちょっとした下落で、すごく不安になる」そんな声が増えてきた今、
“どう判断するか”“どう支えるか”を共有し合うイベントを始めます👇🟦企画名:#下落相場どうしてる
🗓期間:4/14〜1週間ほど… pic.twitter.com/4qjfA3y0rd— 橘 龍馬|マネーの研究室 (@t_ryoma1985) April 14, 2025
2024年に新NISAが始まり、2024年8月5日前後に日本株を中心とした一過性の暴落がありました。
しかし、相場はその後秋〜冬にかけて回復し、2024年は投資初心者の方でも比較的儲けが出やすい相場でした。
ところが、2025年に入ってからトランプショックと呼ばれる暴落が発生し、為替も「1ドル=150円台後半」から「1ドル=142円」まで円高へ揺り戻しがおきています。
新NISAでオルカンやS&P500などの投資信託を買い始めた方は、利益が消失して損失を抱え始めた方も多く、不安が広がっているようです。
そこで本日は、私のこれまでの15年以上の投資経験の中から、初心者の方が暴落を乗り切るための知恵を3つご紹介します。
オルカンやS&P500保有中のNISA初心者が暴落を乗り切るための知恵3選
1. 常に最悪を想定し、過去の大暴落の下落幅を知っておく
大暴落はいつやってくるか誰にも予測できず、知らない間に巻き込まれていることが多いです。
「暴落前に資金を引き上げればOK」と簡単に言う方がたまにいますが、投資のプロでも暴落を確実に避けることはできないので素直に諦めましょう。
投資を20年〜30年と長く続けるうえで、その間に5回くらいは大暴落に直面することをあらかじめ覚悟しておかなければなりません。
そのうえで真っ先に参考にしたいのは、過去の「大暴落」での実際の最大下落幅や持続期間です(下図参照)。
拙著『世界一やさしいお金の教科書 1年生』から引用
1929年の世界大恐慌は最大でマイナス83%と別次元の下落幅ですが、時代背景や経済状況が現在とはあまりに異なるため参考になりません。
私たちが参考にすべきなのは、主に「2000年以降に起きた大暴落」でしょう。
具体的には、
1) 2000年のITバブル崩壊でマイナス45%
2) 2007年のリーマンショック(世界金融危機)でマイナス50%
3) 2020年のコロナショックでマイナス20%
となっています。
中でも、リーマンショックは100年に1度の大暴落と言われており、この規模の暴落を想定した資金計画を立てておけば安全性のうえではほぼ確実です。
「最悪の場合、一時的に半値になっても構わない」と思える範囲内で株式を保有するようにしましょう。
2. 最悪の時期に投資を始めてしまっても、時間が解決してくれる
国内外の株式や債券などの伝統的な資産に幅広く分散投資したポートフォリオの場合、仮に大暴落の直前という最悪のタイミングで投資してしまったとしても、時間が解決してくれることが分かっています(下図参照)。
拙著『世界一やさしいお金の教科書 1年生』から引用
上図を見ると、十分に分散された株式や債券から成るポートフォリオの場合、保有期間が長くなればなるほどリターンのばらつきが減り、元本割れの可能性が低くなることが分かります。
人間の脳はどうしても短期的な成果を求めるようにできていますが、20年〜30年先という遠い将来まで見据えてじっくり投資に取り組むことで、より安全かつ確実なリターンが狙えます。
3. 暴落中は絶対売らない。むしろ積立投資が本領発揮する場面!
暴落中に絶対にやってはならないのが、精神的に動揺して「狼狽売り」してしまうことです。
初心者の方が「もう無理!損をしてもいいから一度全て精算してすっきりしたい」と感じるタイミングは、大抵は売るのに最悪なタイミングなことが多いからです。
私自身も、若い時に何度も痛い目を見てきました。
自分が売った直後から株価が上昇していくことが多く、この才能を逆方向に活かせれば短期売買で大儲けできるのではないかと勘違いしたほどです。
なぜ暴落の最中に慌てて売ってしまってはいけないかと言うと、急に株価が下がった後には株価が急上昇する局面がやってくる可能性が高いからです。
最悪なのが、暴落だけ直撃を受けて被害を拡大し、その後の株価回復局面を全て取り逃がすことで、精神的なダメージも大きく、相場から退場してしまう可能性があります。
株価が急上昇する瞬間のことを投資家チャールズ・エリス氏は名著『敗者のゲーム』の中で「稲妻の輝く瞬間」とたとえています(下図参照)。
拙著『世界一やさしいお金の教科書 1年生』から引用
上図によれば、1980年〜2016年の36年間(1万日以上!)のうち、S&P500が最も上昇したベスト30日を逃すだけで、投資リターンの半分程度を失ってしまうのです。
初心者が狼狽売りした直後は、この「稲妻の輝く瞬間」がやってくる可能性が高く、自ら投資リターンを失う結果になりやすいので注意が必要です。
まとめ
本日は、下落相場を乗り切るための知恵を3つご紹介しました。
素敵な企画に誘っていただいた龍馬さん、本当にありがとうございました!
【本日ご紹介した内容をより詳しく勉強したい方は新刊をぜひ!】
4/15に発売した『世界一やさしいお金の教科書 1年生』の中では、本日ご紹介した内容以外にも初心者の方が暴落を乗り切るための知恵をたくさん解説しています。
投資の世界は不確実性が高く、誰でも損をする可能性があります。
何も知らずに投資の世界に飛び込むのはあまりに危険であり、「無知こそ最大のリスク」とも言えるのです。
新刊では、初心者の方が最短ルートでお金の知識を身につけられるよう、構成を意識して書き上げましたのでぜひ読んでみてください!
【関連記事のご紹介】
新刊『世界一やさしいお金の教科書』の概要とおすすめポイントを解説しました。
「安く買って高く売る」のは言うほど簡単ではありません。
お金のスキルはできるだけ若いうちに身につけておいた方がその後の人生が豊かになります。
Source: 神経内科医ちゅり男のブログ
コメント