肝臓がんに対する薬物療法 イミフィンジ+イジュドに関する論文

外科医

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みなさま
おはようございます
2代目ガンちゃん先生です

今日は、
いま、肝臓がんの全身化学療法の
1次選択治療の一つである

イミフィンジ+イジュドの詳細解析を行った
論文のご紹介

イミフィンジ+イジュドは
最新の治療で、
がんに対する免疫を活性化する2種類の薬剤を使った治療です

登場して2年くらいですが、
今回、名古屋大学の伊藤先生という先生が

この治療の効果と副作用について
まとめた論文を報告されました

スライド1

私の名前も共著者に入れてくださっているのですが、
HIVE-Jという全国規模の研究グループを
久留米大学の下瀬先生と
一緒に立ち上げて、

肝臓がんなどのデータを集め、
治療効果や副作用などの重要な点を解析してくれています

スライド2

今回のイミフィンジ+イジュドのデータは
157名の治療を受けた肝臓がんの患者さま
のデータです

数も多く、意義のある研究です

がんを小さくする力は
17.2%、
がんが大きくならず保てる期間は3.7ヶ月

興味深かったのは、
1番目にレンビマを使った後の、
2番目の薬剤としてイミフィンジ+イジュドを投与した場合の
がんが大きくならず保てる期間が6.8ヶ月
だったという結果です

スライド3

これは何を意味するかと言うと
レンビマという肝臓がんに対する内服薬を先に投与することで
イミフィンジ+イジュドが効きやすい何らかの状況を作っている可能性を示唆
しています

まだまだ検証が必要なデータではありますが、
こういう情報が非常に重要になります

イミフィンジ+イジュドは
効果とともに、副作用についてよく理解しないといけません

がんに対する免疫が活性化しますが、
一方で、間違えて免疫が自分の臓器を攻撃する場合
があります

腸を攻撃すれば腸炎で下痢
肝臓を攻撃すれば肝炎で肝障害
皮膚を攻撃すれば皮膚炎で皮疹

など、さまざまな免疫に関連した副作用が起こり得ます

これが、なかなか厄介で適切に対処していかないといけません

この論文では
その副作用についても詳細に解析してくれています

イミフィンジ+イジュドで最も多い免疫に関連する副作用は、
肝障害、
次に、皮疹の様です
そのあと、下痢が続きます

このような免疫に関連する副作用に対しては
ステロイドを使って、過剰な免疫を抑える必要がありますが、

ステロイドが必要となる副作用としては、
全体として20%、
つまりイミフィンジ、イジュドを投与して
5人に1人はステロイドを検討する必要
があることになります

内訳は
下痢が最も多く、次に肝障害
その次に間質性肺炎
です

最終的に
副作用やがんの進展で
イミフィンジ+イジュドから次の治療に移らないといけなくなることもある訳ですが、
70%を超える方で次の治療に移行できている
という
結果も、この論文には記載があります

この論文の価値としては、

臨床試験ではなく、
実際の患者さまたちに使用したイミフィンジ+イジュドのデータを
これだけの数で集め、
効果と副作用の解析を行った点です

このイミフィンジ+イジュドで
もっと知りたい内容しては、

効果に関しては、
効果が出た場合に、どれくらい維持されるのか
どういう方に効果が出たのか

副作用に関しては、
ステロイドを使った場合に、どれくらいの方が改善するか、
どれくらいの過程で改善するか、
そして、イミフィンジ+イジュドが続けられるのか?
次の治療がどれくらいの割合で移行できるのか

これらについて、もう少し知りたいですね

ことしは、
もう一つの肝臓がんの薬剤が出てくる可能性がたかく、
その薬剤もがんに対する免疫を活性化させる薬剤ですので、
こういう免疫に関する副作用の情報はとても重要
です

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Source: ガンちゃん先生奮闘記

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