どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
前回記事で「コロナ禍でできること」として、介護の日常について書きました。
感染拡大防止のために求められる自粛のなかで、介護現場でできることは「日常」にこそあると思っています。
では、コロナ禍で経営の視点でできることって何なのでしょうか?
私としては介護施設はもっと人材確保策を見つめ直すべきと思っています。
でも、新型コロナで失業者増えたら介護業界に流れてくると言われてるやん!
今は頑張らなくていいんじゃないの??
確かに、この新型コロナによるコロナショックで失業者は増え介護業界に流れてくるだろうと言われていますし、実際そうした動きが起こることは間違いないと思います。
介護業界は、そこに甘んじていていいんでしょうか?
人材マネジメントが下手くそな介護業界
コロナショックで失業者が増え、引く手あまたの介護業界に人が流れてくることを期待している介護関係者の方は多いと思います。
そんな甘い考えでは多くの介護施設が失敗すると思います。
一時的には成功したとしても、必ず近い将来失敗します。
なぜかと言うと、多くの介護施設が「人材マネジメント」が下手くそだからです。
何が下手くそかと言うと、以下のとおりです。
- いいなと思った人材を即採用してしまう
- ポストを埋める人事で上下関係が乱れている
この2つの下手くそな人材マネジメントの実態と、それがどんなふうに失業者の介護業界流入に影響していくかを見ていきたいと思います。
いいなと思った人材を即採用してしまう
介護業界はとにかく人手不足です。
とりあえす誰でも雇って育てるしかない…という考え方が主流となってきています。
なかには、「さすがにこの人には介護は無理だろう…」という方が採用されることもあります。
要するに、介護業界の採用基準はかなり低い基準に設定されていて、採用担当者の人を見る目が養われにくい環境があるわけです。
そのうえ、採用試験も十分にシステム化されていないことが多いです。
一般的な就職活動では、筆記試験⇒1次面接⇒2次面接…といったような流れがあると思いますが、介護業界においては「面接⇒即決」という流れが結構多いんです…。
これは、人を選べるような状況ではないがゆえ、採用試験が簡略化されてしまうわけですね。
こんなこともあります。
明らかに有能な人材が応募してきたときは、何とかGETしたいがゆえに給与交渉がなされることがあります。
そして、介護経験がなくてもいきなり主任候補みたいな扱いになったり、事務職としていきなり役付けで採用されることもあります。
こうした状況下で、コロナショックで失業した人たちが介護業界に流れてきたときに何が起こると思いますか?
せっかく選べる状況であっても、いいなと思ったら簡単に採用しちゃいます(^_^;)
もしかしたら、介護経験なくても最初から優遇されてしまうこともあるかもしれません(-_-;)
採用計画がない施設も多いので、無駄に採用しすぎる施設かもあるかもしれませんね…。
人柄だけで選んでしまうことも多いですからね…。
なんせ介護施設は採用システムが未熟なので、せっかくのチャンスがうまく生かせない可能性があるわけです。
ポストを埋める人事で上下関係が乱れている
さて、なんだかんだで有能な人材が入ってきてくれたとしましょう。
残念ながら、他業種から流れてきた職員は、介護現場を見て「え?」と思うことが十分にあります。
そりゃあ、介護の実態見たらそう思うでしょうね…。
いえ…、そこで「え?」と思われるわけではないんです。
尊敬できる先輩が同僚にいるのに、上司はどうしようもなかったり…。
それぞれの役職者の仕事内容がよく分からなかったり…。
入れ替わりの激しい介護業界は、その時々でパズルのような人事が行われ、ちぐはぐな組織図が出来上がっていることがよくあります。
上司より部下のほうが偉そうにしていることなんてことも、残念ながらよくある話ですし…。
他業種から来た新人職員は、そこに「え?」…ってなっちゃいます。
せっかく来た有能な人材も嫌気がさして辞めてしまったり、あるいは我慢できずにかき乱し始めるか…です。
組織という視点では、他業種の人のほうが的を得たことを言われることが多いんですよね。
こんな人材マネジメントの状況では、他業種から来た有能な人材が安心して働けるわけありませんよね。
経営感覚に乏しい介護現場と介護を知らない経営陣の乖離
ここまで書いたことはすべての介護施設がそうだと言うわけではありませんが、そうした状況に陥りやすいことは間違いないと思います。
人手不足で応募者も少なければ、そうもなってしまいますから…。
じゃあ、ちゃんとしてる施設とダメな施設は何が違うんですか??
それは、介護現場と経営陣との乖離があるかないかにかかっていると思います。
残念ながら、介護職という職種は経営という視点が弱い方が多いです。
私たちが働いている特養に入所するのにどれだけ費用がかかってるんですか?
うちの施設って赤字なんですか?
組織図って何ですか?
事業計画??見たことないです…。
昇給ってありましたっけ??
…こんな声がよく聞かれます…。
これは無知だけが原因ではないんです。
介護の仕事に追われていて、そんなことを考える余裕がないということも原因となっていることもあります。
介護事業者の経営者がそうさせてしまっている場合だってあります。
では、経営者側がどうかと言うと、介護現場のことはあまり知らないということが結構多いんです。
介護現場のことを知らないから、経営的にしなければいけないことを簡単に介護現場に押し付けてきたりします。
介護現場のことを知らないから、無理な人事を簡単に決めてしまうことがあります。
介護現場のことを知らないのに、介護現場のことを知ろうともしなかったりします。
経営感覚に乏しい介護現場は、ただただ介護だけをして、介護を知らない経営陣は、ただただ経営上必要なことをやっているだけ…。
介護現場と経営陣がこれだけ乖離してしまっていては、人材マネジメントなどできるわけがありません。
逆に言えば、この介護現場と経営陣の乖離をなくしてしまえば、人材マネジメントが機能し始める可能性があるということです!
では、どうすれば介護現場と経営陣の乖離がなくなるというのでしょうか??
トップの覚悟のもと人材マネジメントを推進する!
介護現場と経営陣の乖離をなくせるかどうかはトップ次第です!
結局は、会社というのはトップで決まります!
介護現場の経営感覚の乏しさなどは、組織内の教育環境の問題でしかありません。
それをその部署や個々の問題で終らせてしまってはいけないだけの話です。
トップが覚悟を決めて人材マネジメントを推進していくしかありません!
では、人材マネジメントとは何なのか?
簡単に言えば会社が行う人事業務のすべてです。
- 人材確保
- 人事評価
- 人材育成
- 能力開発
- 人材配置
- 異動・昇格・昇進
- キャリアパス構築
※キャリアパスとは、キャリアを積んでいくための道標や順序を示したものです。
ざっとあげるとこんな感じですね。
これらを一体的に扱い、戦略的にマネジメントしていくことが人材マネジメントなのです。
以前こんな記事を書きましたが、これもまた人材マネジメントの戦略と言えます。
コロナショックで失業者が介護業界に流れたときに、人材マネジメントとして考えなければいけないことはたくさんあります。
例えば人材確保。
採用システムはしっかり整っているか?
採用は現状をしっかりと把握して計画的に行おうとしているのか?
どういった人材が今必要なのか?
いつまでの時期に人材を確保する必要はあるのか?
人材確保に当たって異動は必要なのか?
ざっと思いつくだけでもこれだけあります。
人材配置や能力開発はどうでしょうか?
管理者やリーダーが果たすべき役割を果たせているのか?
管理者やリーダーの能力開発の仕組みはあるのか?
一般職員に昇格すべき職員はいるのか?
異動で部署間のバランスを考える必要はあるのか?
人減関係のトラブルはないか?
前述したような、部下が上司を上回っているような関係ができていることもあるわけで、その場合は降格するわけにもいかないので、能力開発を推し進めていくしかありませんよね。
あるいは、有能な部下を昇格させたり、異動で能力のバランスを整えたり、力を発揮できていない管理者やリーダーを異動にて再度育成をし直したりすることもあります。
そもそも管理者・リーダー育成の仕組みがないなんてお粗末なこともありますよね。
後は、人間関係も無視できない大きな課題であり、人間関係も含めた戦略的な人事を考える必要があります。
こんなふうにして、戦略的な人材マネジメントを施しておくと、組織が変わりそうな気がしませんか?
コロナ禍で経営的にも動きが取りにくい今だからこそ、こうした組織内部の変革を行っておくわけです。
そして、失業者が介護業界に流れてくるときに備えておくということをしておけばいいのです。
簡単に書きましたが、いざやるとなると難しいとは思います。
せめて、経営者側の皆様は人材マネジメントについて学んでおくところから始めてはどうでしょうか?
失業者の介護業界への転職について
最後に、コロナショックで不運にも失業者となってしまい、介護業界の転職を考えておられる方は、参考程度にこちらの記事を読んでいただければと思います。
あとは、この記事に書いたとおり、その介護施設がどれだけ「人材マネジメント」を考えているかをチェックしておかれた方がいいと思います。
これからの介護業界は「人材マネジメント」がどれだけできているかが生き残る鍵となってきます。
介護施設はつぶれないというのは過去の話で、介護経営がちゃんとできていない施設は実際につぶれています。
介護未経験の方は、まずは安心して働ける働きやすい職場を選んでください。
そして、介護についてしっかりと学びながらスキルアップをしてください。
最初はちゃんと学べて育ててもらえる施設がいいと思います。
そうすれば、これから介護の仕事をしていくうえで、ステップアップが描きやすくなるはずです!
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まとめ
前回記事が「コロナ禍で介護現場ができること」であるとすれば、今回の記事は「コロナ禍で介護経営者ができること」です。
介護現場と経営陣の乖離は、介護業界では残念ながらよくあることなんですが、コロナ禍において、それぞれが今すべきことをしておけば、その乖離がきっと小さくなるはずです。
「ピンチはチャンス」と言いますが、今こそピンチでありチャンスなわけです。
今をチャンスにするためには、介護現場の努力ではどうにもなりません。
努力すべきは経営陣です。
そして、経営陣がやるべきは「人材マネジメント」です。
働く職員をどれだけ大切にできるかどうかです。
「人材」でなく「人財」として、「人財マネジメント」をする必要があります。
経営者の皆様は、ぜひとも「人財マネジメント」に力を入れてほしいところですし、そうでない方は、経営者側に働きかけることぐらいはできるかもしれません。
あるいは、コロナ禍できっと会社の悪いところが見えやすくなっていることと思うので、どうしようもなければ転職というのも考えるにはいいタイミングかと思います。
私としては、コロナ失業をただただ待っているような施設であれば転職された方が良いかと思います。
Source: すべての道は介護に通ず【暮らしかるモダンなブログ】
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