「乳がんでは死なないからね」

「え？　そうなの？」

「うん。おっぱいにしこりがあったって、
　命にはかかわらないよ」

「そうなの？」

「そう。ここ（おっぱい）にがんがあっても、
　これだけじゃ死なない。

　これが大きくなって、
　がん細胞がリンパ管や血管に入り込んで、
　全身に回って、

　たとえば肺や肝臓、脳に転移したときに
　命にかかわってくるの」

「へぇー、そうなんだ」

「肺や肝臓は、
　生命維持には欠かせない臓器でしょ。

　でもおっぱいは、
　直接生命維持にかかわっているわけじゃない。

　だから、がんがおっぱいだけに限局していれば、
　死ぬことはないの」

「なるほど．．．」

．．．というわけで、
“早期発見・早期治療”が大切になる

がんが全身に広がる前に見つけるのだ

そして、悪いところを手術で取り除き、
適切な治療をする――

それは、再発（転移）をさせないため

がんは、
“いかに再発（転移）を防止するか”も重要なのだ

　　高い乳がんの5年・10年生存率

　　そこにある、明るい希望．．．

　　が、哀しい現実も少なくない

　　そのたび、
　　「乳がんは、侮れない病」だと感じる

　　だから、生き延びなきゃね

　　“完治”と言われている20年を

　　私たち、乳がんの先を行く人間が、
　　明るい未来になるのだ――

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Source: りかこの乳がん体験記