「え? 虫刺されや日焼けも駄目なの?」――
腋窩リンパ節郭清をした乳がん患者が
気をつけなければならないことはいくつもある
たとえば、
○重いものは持たない
○採血・血圧測定は術側の腕ではしない
○洋服やアクセサリーで腕を締めつけないように
○バッグを内ひじにかけない
○リュックを背負わないように
○土いじりはゴム手袋をする
○術側の腕に虫刺されをしないように
○術側の腕に傷をしないように
○脱毛(ムダ毛の処理)に気をつける
○過度な日焼けをしないように
○肌を清潔に保つ
○肌を保湿する
...などと言われている
大まかに分けると、
前半は“締めつけによる浮腫み”、
後半は“皮膚への直接的な影響”
...ということになる
“リンパ浮腫”には、
・締めつけがよくないこと
・重いものを持たないようにすること
・採血・血圧測定は違う腕にすること
などに気をつけなければならないことは
よく知られている
が、傷や過度な日焼け、
保湿に気をつけなければならない理由を
知らない人が意外と多いようだ
“腋窩リンパ節郭清”は、そもそも、
乳がんで転移した(転移していると思われる)、
リンパ節を郭清(切除)すること
そのため、リンパ液の流れが途絶され
浮腫みが起こる
リンパ節の役目は、
“外部から侵入してきた細菌やウイルスを
攻撃・排除する”こと
リンパ節の大きさは1~25㎜で、
リンパ液が流れるリンパ管の途中途中にあり、
いわゆる“関所”のような役割を担っている
リンパ節が多く集まっている場所は、
・腋窩(わきの下)
・耳下腺
・鎖骨上部
・鼠径部
などで、ちなみに“腋窩”には、
20~30個のリンパ節があるらしい
※全身には
300~600個程度あると言われている
ちなみに、私が郭清したリンパ節の数は、
予定では5個だったが、
実際には10個切除した
“腋窩リンパ節郭清”は、
この“リンパ節”を切除してしまうため
細菌への攻撃隊がいなくなり、
感染症を起こしやすくなってしまう
そこで“保湿”が大切になってくる
パサパサと乾燥した皮膚では
小さな傷ができやすく、
細菌の侵入をしやすくしてしまうからだ
“清潔に保つ”というのも、そのためなのだ
※細菌が侵入してしまうと炎症を起こし、
“蜂窩織炎”、さらには
“リンパ浮腫”を引き起こすことにもなり兼ねない
【番外編】
○体重増加もリンパ浮腫の原因になる
○サウナ・岩盤浴・熱いお風呂は控える
(浮腫みの原因になる)
○体力の低下に気をつける
(免疫力の低下で感染症のリスクが高まる)
【マッサージ編】
私が乳がんの手術をした頃は、
「浮腫まないように」と、
毎日リンパを流すマッサージをするよう言われていたが、
今は、
“浮腫みがない人は、マッサージはしなくてもよい”
(マッサージに、リンパ浮腫の予防効果はない)
と、言われている
手術から3年後、
この話を理学療法士の方から聞かされたときは、
「この3年間、
マッサージを続けていたのはなんだったんだ...」
と、大きな衝撃を受けたものだ
「医療も変わっていくんです」
と、理学療法士
まぁ、そういうことだ...
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Source: りかこの乳がん体験記
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