上久保氏と吉備国際大学(岡山県)の高橋淳教授らの研究によると、新型コロナウイルスは感染しても無症状から軽症が多い「S型」「K型」と、致死率の高い「G型」に大別される。
日本では先に弱毒型のS型やK型が流行したため、強毒型のG型に対する免疫を有していると上久保氏らは主張する。
だが、厚生労働省が過去の感染を示す抗体検査を実施したところ、東京の抗体保有率は0・10%、大阪が0・17%と低かった。
東京理科大学の村上康文教授らが今月発表した抗体定量検査では、東京など首都圏の10~80代のうち、陽性反応が出たのは約1・9%だった。厚労省の調査よりは高いが、一般に「集団免疫」といわれる60~70%にはほど遠い水準だ。
上久保氏はその理由を、抗体検査キットで陽性・陰性の境を決める基準(カットオフ値)にあるとみる。検査の慎重を期すために発症中の入院患者を基準としてカットオフ値を設定しているため、抗体保有者でも陰性と出る人が多いというのだ。
体内に外部からウイルスが入ると、ウイルスを殺す「キラーT細胞」と抗体を作る「B細胞」が抗体を生成し、その際にキラーT細胞からサイトカイン(免疫系細胞から分泌されるタンパク質)が出され、発熱などの症状が起きるという。
上久保氏はこれまでの抗体検査の結果について、「サイトカインが出ている発症中の状態を捕捉した数字とみることもできる。陰性と判定された患者も免疫は記憶しており、ウイルスが再度曝露(さらされること)すると、B細胞がただちに『IgG抗体』を産生し、IgGの抗体価が上がるため、短時間の症状が出る程度で重症化しにくい」と解説する。
上久保氏は「毎年風邪にかかる人がいるように、『IgA抗体』など分泌型の免疫の関係で、通常約1年間で更新される。ウイルス干渉という現象で、新型コロナの流行時期には過去のコロナウイルスは存在できないため、ほぼ新型コロナによる『既感染』である可能性が高い」と指摘、新型コロナによる集団免疫が実現しているとした。
死者や重症者の定義について「別の病気での死亡例や入院例にもPCR検査を実施されており、陽性と判別されている可能性も考えられる。患者の基礎疾患などを考慮してカウントされるべきではないか」と主張した。
Source: 身体軸ラボ シーズン2
コメント