「断らない救急」の怖さ

おはこんばんちは!はなこです!
この出だしのあいさついちいち考えるもネタが尽きてきました。なんかいい挨拶の案を下さい、はなこです。

本日は救急外来へ取り組む病院に対する愚痴です。
何度も書いてますが、このブログの本来の目的ははなこの愚痴を垂れ流すことなので、一番ブログの主旨に沿った内容といえるでしょう。

では、いってみよう!

さてさて、昨今はどこの病院も救急に力をいれたがっているようにみえるのですが…どうでしょうか?
以前にいた病院も、4月から赴任してきた今の病院も、はたまたバイトで当直とかしている病院も…だいたいどこでも「救急患者は、なるべく断わらずに診察してください」もっとひどい言い方のところだと、「救急を断るな!」と言われます。

断らない救急
いい響きですね。

…ただ、いいのは響きだけだとはなこはおもいます。

というのも、特に夜および休日の救急外来というのは当直制でして、だいたい各科の医師が交代で担当しています。
内科、外科のいわゆるメジャー科の医師だけじゃなくて、皮膚科とか耳鼻科とか眼科とか…いわゆるマイナー科の医師も、です。

察しの良い方ならここで気づかれるはずです、夜および休日の救急外来の怖さを。

つまり…
「おなか痛い!!」って言って救急外来に駆け込んだあなたを診察している人は、おなかの診察なんて数カ月ぶり(人によってはもしかしたら数年(…いや数十年))ぶりの耳鼻科医かもしれません。

逆もしかりで、「鼻血が止まらない!」って言って救急外来に駆け込んだあなたを診察しているのは鼻鏡(鼻の穴の中をのぞく道具です)なんて今まで一度も持ったことのない内科医かもしれません。

病院によっては内科系と外科系の2人の医師が当直しているところもありますが、それだって所詮内科「系」、外科「系」です。
各科の医師が当直しているような病院なんて、おそらく大学病院レベルの大きな病院以外ではありえないでしょう。

つまりどういうことかと言うと、

「息がしんどい」と救急外来に駆け込んだあなたの胸の音を聞いているのは、頭の中などの神経以外にはとんと興味のない神経内科医かもしれません。

「転んで顔面を切った」と救急外来に駆け込んだあなたの顔の傷の縫合をしているのは、顔の傷なんて数えるほどしか縫合したことのない乳腺外科医かもしれません。

…しつこいですか?
でも、夜および休日の救急外来はそういうところです。
各科の医師が、自分の専門科とはかけはなれた内容の傷病をうんうん言いながら、それでもなんとか診察している。そんな場所です。

確かにどんな科の医師でも一応の対応はできる…とは思うの。
でも所詮、一応よ一応
やっぱり普段診察し慣れていない症状や疾患の診察や、正直、はっきりきっぱり言ってしまうけど、わからないこともあるし、見落とすことだってあるのよね!

だから、はなこたち医師は救急車の搬送依頼が来た時点で(もしくは患者さんから受診希望の電話連絡があった時点で)、
「この疾患は自分の持つ知識・技量でしっかりと診察できる範疇の疾患であろうか?」
ってことを考えるべきで。
そこで、
「今の問い合わせから考えると○○っていう重症の可能性もあるな…でも、私○○なんて教科書でしかみたことないし、診断できる自信もないぞ」
ってなったら、受診を断わってあげたほうが患者さんのためじゃないかな?と思うんだ…。

ここで、「断らない救急」の怖さなのです。

「自信ないな…
 あ、でも、病院長から『救急は断るな』って言われてるんだった…」

って無理に診察する。

まったく専門外の疾患を、しかも他の医師の助けを求めにくい状況下(夜や休日=他の医師は自宅でのんびりしたりしてます)で診ているという状態になる。

そんな診察うけたい?

危険じゃない?

ふう、熱くなってしまった。
「断らない救急」の怖さ、伝わったでしょうか。
なんか、自分でも熱くなりすぎてやや支離滅裂な感がぬぐえないが…まぁもおいいや。なんとなく伝わるでしょ。

というわけで、はなこからのアドバイスとしては救急外来での医師の診断なんて基本的には本気で信じるな
救急外来での医師の「大丈夫」のセリフには「(とりあえず、今晩のうちは、たぶん)大丈夫」って枕詞が隠されていると思ったほうがいいよ。
つまり、次の日、専門外来にちゃんと行けってこと。
やっぱり腹痛は消化器内科でみてもらうのが一番だし、顔面のけがは形成外科に診てもらうのが一番だよ。

あ、でもだからと言って、夜または休日に専門の医師が当直している病院を探しまわるというのも…あまり賢い行為とは言えないと思います。
そんな偶然、そうそうないだろうし。探し回る元気があるなら、翌日でもいんじゃない?とか思われるだろうし。




追記という名の蛇足

さて、「救急断るな」な病院で当直している時のはなこは、救急受診依頼に対してはこんな風に返事してます。
(あ、自分の専門科な疾患の時とか、自分である程度の決着つけれそうな緊急疾患の時は二つ返事でOKしてるよ。それ以外の時ね)


「息苦しい…かぁ。わたし外科系の医師なので、専門外になること。それと、救急外来でできるのは基本的には応急手当てだけであること。詳しい検査なんかは後日、また専門科の外来のほうに来院いただいく必要があること。これらのことをご理解・ご了承いただけるなら診察させていただきます。」

はい!
「断らない救急」ですからね。断わってませんよ!「診察させていただきます」って言ってるでしょ。
本音はすげー断わってるのが見え隠れしてると思うけどね。
でも、それでも受診する人は受診するんだなぁ~~~。(半分弱くらいは受診するよ、こう言っててもね。)

ちょっとかなり強引に意見をぶっぱなしたので色々言いたいこともあるかと思われますので、そのあたりはよければコメントへ♪
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Source: 診察室の裏側で

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