新人教育の難しさ その2

こんばんは!はなこです。あまりの不定期更新に自分でもがっかりです。
ブログやめた説がまことしやかにささやかれていますが(どこで?)、そういうわけではないのでご安心ください(安心?)。

さて、続きを書く書く詐欺を行うはなこにしては珍しく(?)、今回は以前のブログで紹介したピカピカの1年目研修医Pちゃんのエピソードをお伝えさせていただこうかと。

Pちゃん?はて、それ誰?」ってなった方は2016年4月28日のブログを読み返しください。m(__)mリンクモハラズニスミマセン

エピソード②~病棟にて~

「初めての担当患者さん」
・1日目(朝)
Pちゃんはなこが前日の夜に救急から緊急入院させたとある患者さんの担当医にしました。わかりやすいようにこの患者さんをかりに前田さん(仮)としましょうか。
主治医ははなこね。
まぁ、主治医だ担当医だ(あと指導医だ~とか)、なんやかんや名称がややこしいですが。
一応、主治医が読んで字のごとく「主に治療を行う医師」のことで。基本的には主治医が治療の大筋やなんかを決定します。
あと、患者さんになんか問題が起きたときとかも基本は看護師さんを主治医に報告します(…のはず。←そうじゃないことがままあるということですネ)
で、担当医はそのサポート。
指導医は監督&相談役…みたいなところでしょうか。

はなこが今つとめる病院は研修医は主治医に名前を入れられないみたいなので(このへんのルールはホント病院によりさまざま)、Pちゃんを担当医にしました。
ホントは「主治医」にしたかったんだけどね。


はなこ「P先生。前田さん(仮)の担当医にしたからね。ただ、名前は担当医だけど、主治医のつもりで取り組んで。主治医ってゆうのはつまり、治療のメインだからね。この患者さんの病態を考えて、治療方針を考えて…っていうのをP先生が決めるんだよ。具体的にはいつこの患者さんにどんな検査するのかとか、どんな薬をどのタイミングで使うかとか、どういう状態になったら退院を許可するか…とかね。

いや、ホントは「主治医のつもりで取り組んで。」で話は終えたかったんだけど…救急外来での一件があるので…。こいつ逐一説明しなフリーズするな…っていうのがわかっていたので、超!丁寧に説明したのでした。

しかも、おまけに前田さん(仮)の病名とざっくりした病態を説明して、
それについて書いてあるテキストも貸してあげて、
はなこ「まず検査は採血検査かな、なんの項目をいつするか考えて。あと、指示簿だね。昨日の夜から今日までの分は私が作ってるけど…今日以降の分を自分で考えて作ってみて。これは今入院してる他の患者さんのも参考にして、今日中に作って、はなこに見せてね。(←いきなり無茶苦茶な指示簿が電子カルテに掲載されて、他のスタッフのかたの迷惑になることを避けるため)」って言ってあげて、
…ってことまでしてあげたんだ。
はなこ、優しいでしょ?

で、はなこは午前外来にむかったのでした。

外来も終えて昼過ぎ。
はなこ「Pちゃん全然、来ないんだけど。指示簿はちゃんと作れたのかな?」
…やや不穏な空気。
はなこ「いや!でもでも、初めての指示簿作りだし。まだ半日だし、夕方までにはきっと、ね。」

と、気分を切り替えて手術室に向かうはなこ。
手術後も救急外来に呼び出されたりなんやりして、気づいたら18時を回っていたわけですが。
はなこ「Pちゃん…全然、指示簿みせにこない。」

さすがにこのまま指示簿が空白だと看護師さんたちにも迷惑がかかるのでとりあえず自分で指示簿入力してしまうかーと前田さん(仮)の電カルを開く、指示簿のページをみると…

はなこ「指示簿、すでに入力されとる!!」

Pちゃんの名前で指示簿が入力されている状況。

いや、意気込みは買うけどね。一度チェックさせてほしいって私…言ったよね。

と、Pちゃんの院内PHS(内線)に電話。
「現在電波の届かないところにいるか、電源が……」

えー……(°_°)
まさかの、もう帰ってるーー……(°_°)
前田さん(仮)のことひとつもはなこに相談せず帰ってるーーー……(°_°)

どんよりした気持ちで指示簿のおかしい部分を修正するはなこなのでした。

・2日目 朝。
今の病院は8時45分くらいから科のドクター全員で入院患者さん全員の回診をします。
部長~研修医まで全員で。

ま、ここで今日の治療方向をざっくり決めたり、こまってること相談したり。
難しい症例を科の全員で共有したりするんですね。

なので、まぁこの回診のときまでに自分が担当している患者さんの病状(特に昨日の夜~今朝にかけて変化はないかなど)をチェックして、回診に備えるわけです。
で、困ったことが起こっていたら部長をはじめ科の医師全体に相談しつつ患者さんの診察に全員であたる…という。
そゆシステムなんだけど。

回診の始まる直前にて。
はなこ「P先生。前田さん(仮)の状態はどうだった?」
P「あ、えっと、その…。」

はなこ「(もしかして)…まだ今日は会って診察してない?」
P「はい、すいません。」

ヤレヤレ…
(ま、ちなみにはなこは自分でも朝の診察をしていたので大きな問題はない状況ですが)

というわけで、上に書いたような回診の意義についてをトクトクとPちゃんに説明してあげました。
ホントはね、こんなこといちいち言わなくたってできるようになってほしいよ。Pちゃんがうちの科で研修初めてから2週間くらい経ってた時期だし。他の先生たちの行動を見てさ、そのまねをしてほしかった。
でも、今まで回診までにしておくべき朝の仕事についてなんて具体的に説明したことなんてなかったし、しょうがないのかな…て。
できる限り優しく、丁寧説明してあげましたとも。

あと、指示簿の気になる部分を昨日修正したから確認しておいてほしいことも、
前田さん(仮)のことについては毎日最低1回は相談に来てほしいことも、
指導しておきました。

・2日目の夜。
19時ころのことです。
一応その日は昼すぎにPちゃん前田さん(仮)のことについて、近日中にすべき検査とか治療の大筋とかを話し合っていたので安心していたはなこは、朝一に前田さん(仮)のカルテチェック以降は、その時間になるまで一度もカルテを開いていなかったのですね。

はなこ「あれ?前田さん(仮)の今日の診察記録がまだ入力されてない…」
またもや不穏な空気…。
はなこ「まぁ、初めての担当患者さんだし、まだまだカルテも書きなれてないだろうし時間がかかってるのかな。」

とのことで、この日はそのままにしてはなこは帰宅。

・3日目 朝
はなこ「昨日のカルテの診療記録…ないじゃん。」
えーー……(°_°)

はなこ「P先生。前田さん(仮)のカルテさ、昨日の分書いてないよね?」←ちなみになるべくめっちゃ優しく
P「……。」
はなこ「基本的にはさ、入院患者さんについては毎日カルテ記録書かないとだめだよ?」
P「はい…。」

んなことまでイチイチ言わないと分からないものなのでしょうか!?!?!?
はなこそろそろ泣きそうです

あ、ちなみにこの日は回診までにキチンと患者さんに会いに行っていたのでそこは褒めときました。たとえ、大事なポイントを見逃していたとしても(←まぁ、それは1年目研修医ちゃんだから仕方ないし、そのフォローをすべくはなこも自分で毎日診察してるし)

・3日目 夜
手術等を終え、帰宅直前のカルテチェック
はなこ「よしよし、今日のカルテ書いてるな。」
カチャカチャ(←足りない内容を書き足し)
はなこ「…明日の血液検査いれといてって言ったのに。はぁ、なんで…(泣)。」
カチャカチャ(←血液検査入力)
PHSをピッポッパッ。
はなこ「あすいません、はなこですー。締め切り過ぎてて申し訳ないんですけど、入院中の前田さん(仮)に明日採血をお願いしたくってー。あー、はい。電カルにはもう入力してますので。よろしくお願いしますー。」

新人に仕事させるって、自分の仕事が2倍になるイメージなんですね。(泣)

・4日目
特に大きな問題なく過ぎた…はず。

週末をはさみ…
(ちなみに、「週末の前田さん(仮)のことははなこが診とくからね!P先生は週末はゆっくりお休み&前田さん(仮)の疾患のことについて勉強しといて!」って言ってあげたんだぜ。はなこ、優しくない?)

・7日目 朝
Pちゃん前田さん(仮)の診察を回診までにしていないというまさかの事態!!

えーーー……(°_°)

注意するのも指導するのもばからしくなって、はなこはもうなにも言いませんでした。

・9日目
このあたりから、前田さん(仮)のカルテにPちゃんの診察記録が見当たらなくなります。

えーーー……(°_°)

毎日カルテに診察記録書けっていったよねーーー……??

ここではなこPちゃんの指導には真面目に取り組まないことを決意しました。

はなこはどこかで聞いたことがあります。
「言われたことができるのは普通。言われてないことも自分で考えてできるようになって一人前」みたいな。(細かな言い回しは忘れましたがこんな感じ)

この言葉を聞いた学生当時は「フムフムなるほど、確かに」
とか思ってたけど。

今は声を大にして言いたい!!
「『言われたことができる』って、『普通』じゃないよ!すごいことだよ!」と。




Pちゃんは4月いっぱいでうちの科の研修を終えて、他の科の研修へと飛び立っていきました。
正直、はなこはすごくほっとしています。
これ以上Pちゃんと接しているとはなこの内側のナンカ黒くてドロドロしたところから、冷たい何かが飛び出しそうで。

↓黒いドロドロしたものが出てこないよう、クリックお願いいたします

人気ブログランキングへ

にほんブログ村
ポーラのホワイティシモ

Source: 診察室の裏側で

コメント

タイトルとURLをコピーしました