個々にある、治療の選択。

私が子どもの頃は、
“医者の言うことは聞くもの”だと思っていた

風邪をひいても、
怖くて病院に行くのがいやだった

高熱と吐き気で、
3日間飲まず食わずで寝たきりになったときは、
さすがに両親に病院に連れて行かれる羽目になる

  まぁ、そこまでの状態に陥らなければ、
  病院には連れて行ってくれなかった親だった

「ちゃんと症状、先生に言うんだよ」

と、母に念を押されるも、
医師の正面に置かれている、
あの座りづらい丸椅子に腰を下ろすと、
緊張で自分の症状をすべて伝えることができなかった

そんな幼少期を過ごした私の中には、
“医者は偉い人”という偏見が立ちはだかっていた

“医者”のイメージが大きく変わったのは、
乳がんになってから

「はじめまして。○○と申します」

と、頭を下げて挨拶をする

  開業医のおじいちゃん先生は、
  未だに偉そうにしている医者もいるが...

そんな、昔の医者とは全く違うイメージに面を食らった

しかも、
“インフォームドコンセント”だの、
“セカンドオピニオン”だのと、
時代はまるで変わっていた

そんな中、困ったのは、
“患者自身が治療を選択できること”

医者の言うなりではないのだ

が、病のことはまるで素人

乳がんを告知されたばかりで、
頭の中が整理もつかない状況での治療の選択は、
患者にとっては酷でもあった

私はがん告知時、遠隔転移していたため、
手術より先に抗がん剤治療をすることになった

「する」と言われれは、“するもの”だと思っていた

そして、主治医はこう付け加えた

「一応、“ファーストライン”というのがあります
 それは髪の毛が抜ける抗がん剤です

 でも、例えば、
 “モデルをしているので
  髪の毛が抜けるのが嫌”というのであれば、
 ちょっと弱い抗がん剤をする方法もあります」――

「そこまで自分で選択してもよいのか...」

と、驚いた

が、
それは私にとっては贅沢でわがままなことだった

なぜなら、まず、“命”

命がなければ好きなことも続けられない

それに、
“弱めの抗がん剤”という言葉にも引っかかった

「効かなかったら終わりじゃん。
 まずは、しっかり治療をすること。
 最初にやるべきことをやっておかなければ、
 きっと、がんには勝てない」

そう思った

しかも私の場合、
そんな悠長なことを言っていられる状況ではなかったのだ

それぞれに、治療の選択はあるのだと思う

それは、その人の生き方であり、
置かれている環境の違いでもある

納得した治療を選択するのがベスト...

いや、“ベター”と言った方がいいのだろうか

如何わしい“なんとか療法”というものに手を出すのも、
その人の選択...

が、

おかしな“療法”に手を出し、
命を落とす人がいなくなることを願いたい――

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Source: りかこの乳がん体験記

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