肥満税(fat tax)が普及したらコカ・コーラも安泰ではない!?

内科医

おはようございます。

肥満税(fat tax)が一部の国で実際に導入されています。

肥満税とは、国民の肥満を防止し医療費を抑制するために、糖分や脂肪分の多い食品や飲料品に課する税金のことです。

2016年に世界保健機関(WHO)は、砂糖が添加された清涼飲料水に20%以上の課税を行えば、肥満、虫歯、糖尿病を抑制するような消費の削減が可能であると提言しました。

すでにいくつかの国や都市で導入されているfat taxについて本日はご紹介します。

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肥満税(fat tax)が普及したらコカ・コーラも安泰ではない!?

fat tax導入の賛成派の意見は、肥満税によって健康的な生活を助長して医療費を抑制可能であり、また、肥満税で得られた財源によって肥満に対する医療費をまかなうというものです。

実際、米国ではコカ・コーラなどの清涼飲料に特別税をかける動きが広がりつつあり、これらはsoda taxと呼ばれています。

また、大きなサイズの服の値段を高くするなど、肥満の人に事実上の負担を強いる時もfat taxという言葉が使われるようになってきています。

医療費など社会保障費の増大は、超少子高齢化社会を迎える日本でも喫緊の課題であり、肥満税導入の可能性は十分にありそうです。

 

soda taxは米国の一部の都市で導入されている

砂糖が添加された飲料に対するsoda taxは、カリフォルニア州バークレー市やペンシルベニア州フィラデルフィア市ですでに導入されています。

また、欧州ではハンガリー、フランス、ポルトガル、イギリスといった国でソーダ税、砂糖税、ポテトチップス税といった名称でスタートしています。

東南アジアでは、タイやフィリピンで砂糖が添加された清涼飲料水に対する課税が始まっているとのことです。

タバコやお酒に対する課税というのは我々日本人にとっても当たり前の感覚ですが、日本人の知らないところで様々な課税がされているのですね。

 

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http://www.sankei.com/premium/news/160512/prm1605120002-n1.html から引用

 

日本でもfat taxが導入される日は来るかもしれない

世界的に健康志向が高まる中で、日本でもfat taxが導入される日が来るかもしれません。

特に、コカ・コーラやポテトチップスは最も影響を受けやすい品目と言えそうです。

もっとも、fat taxが導入されるのは一部の成熟した先進国が中心でしょうから、コカ・コーラの販売に致命的な影響が出るとは考えづらいです。

一方で、嗜好品も「ただ売れればよい」という世の中ではなくなりつつあることは意識しておく必要があります。

 

日本においては、2008年からメタボリック症候群を予防するためのメタボ健診がスタートしており、今後は一定の基準を満たさない企業や自治体に対しての罰則強化が検討されています。

今現在は、メタボ健診で引っかかったとしても簡単な指導が入る程度ですが、今後はより厳格な保健指導や数値目標が求められるようになりそうです。

このように、肥満や甘味に対する世の中の目はますます厳しくなっていくのでしょう。

 

デンマークでは肥満税は効果なく1年で廃止された

一方、2011年に脂肪税をいち早く導入したデンマークにおいては、その後に食品価格の高騰をまねき、国民からの反発が強く約1年で廃止されました。

隣国のドイツで食料品を購入する国民が増加し、健康に対して当初期待したような効果が得られなかったとのことです。

日本の場合は島国ですから、価格が高騰したからすぐに隣国で買い物というわけにはいきませんので、デンマークのような事態にはならないでしょう。

一方、肥満税は肥満の人に対する差別という意見や、食生活ではなく病気の影響で肥満になっている人もいるでしょうから、肥満税に関しては慎重に導入する必要がありそうです。

 

まとめ

肥満税(fat tax)が世界中で広く導入されるような事態になれば、コカ・コーラやポテトチップスなどの販売に大きな影響が出るかもしれません。

日本のメタボ健診も今後はより厳格な数値目標が求められるようになりそうです。

 

 

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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ

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