あれはダメ、これもダメ
最初はそれを信じて食材を選んで食べていた
次々と入ってくる情報は、
“それは身体に悪い”
“これを食べると再発する”
そんな話ばかり
じゃあ、何を食べればいいの？
なんにも食べられるもの、ないじゃん
そんなに気を遣って、
食べたいものも食べられなくて、
我慢して、
ストレス抱えて
心によくないことするくらいなら、
食べたいものを
おいしく楽しく食べた方がいい
．．．ということに気がついた――
がんになると、多くの人たちが
“食”に関心を抱くようになるようだ
再発をしない食べ物．．．
がんを治す食事．．．
身体に悪い食品．．．
「甘いものはがんの餌になる」というのは
有名な話だ
「にんじんジュースががんを消す」という、
科学的根拠のない噂も、一時期、
がん患者の間で爆発的に流行した
未だに「がんに効く」と謳った、
効果のない健康食品を売りつけ、
逮捕される輩もあとを絶たない
前段の話は、あるがん患者さんの声だ
私は彼女のこの言葉を聴いて、
どれほど安堵したことか．．．
バランスよく色々なものを食べ、
適度に身体を動かすこと――
それが、
“健康に生きること”だと思うのだ
食という字は
人を良くすると書く
もちろん、身体は健康な方がいい
が、心も健康でなければ、
本当の“健康”とは言えない
心と身体はつながっている
心が悦べば、身体も元気になれるもの
無理な減量や偏った食事、
誤った情報や
根拠のないがん療法に陥らないことを願ってやまない
体調が悪くて、
それでも生きるために食べなければならなくて、
ただ、胃に流し込むだけのこともある
が、“食”は、
命をつなぐためだけのものではない
ひとには、“食べる楽しみ”がある
“おいしい”と感じる悦びがある
そしてそこには、必ず笑顔が生まれる
大切なのは、
“しあわせと思える気持ち”だと思うのだ
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Source: りかこの乳がん体験記
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