先日、独居のおばあさん(在宅患者さん)が目の前で
見る見る内に意識を失っていく場面に遭遇した。
人生会議を繰り返し、担当者会議も繰り返し、
ご本人やご家族の想いも願いも、確認できていた。
それでも、徐々に老衰が進んでいくというよりかは、
ある意味、急変が目の前で起こると、ハッキリ言って、
医者である僕自身も、結構焦った。
頭の中では、人生会議でのご本人ご家族の言葉を
繰り返し思い起こしてはいたものの、このまま、
意識を失っていき、場合によっては呼吸停止していくさまを
手を握って、見つめているだけで良いものか、不安になりながら、、、、
とりあえずは、ご家族とケアマネさんに連絡を取りながら、
様子を眺め、うちのナースにも声をかけ、清拭などしながら、
ベッドに寝かしつけることまでして、ようやく落ち着き、
意識が戻って、温かいお茶が飲めるまで回復され、
ご本人の「あ~びっくりした。こんなん初めてやわ、死ぬかと思った」の言葉を聞いて、
こっちが、一安心。そんな経験をした。
やっぱり、正直言って、どこかのタイミングで、
救急車要請してしまって、延命処置が施される可能性は十分にあった。
まして、ご家族や訪問介護士さん達が意識消失の場面に遭遇する場合もある。
(後で、訪問介護士さんらに聞くと、そんな時は救急車要請になりそう、、、
でもこれからは先生にすぐ直接電話しますと話されていた。
もちろん、ケアマネさんらと一緒に決めたのですが。)
望まない延命処置とは言え、その場に居合わせた人間にとっては、
やっぱり、倒れゆく人を救おうとするのは、当然の気持ちだ。
望まない延命処置が施されても、
開始しなかったところまで、戻り、
非開始とできるならば、その時の、
倒れゆく人を救おうとする人間としての優しい気持ちは
ご本人の尊厳とともに、尊重される。
『非開始と中止』
皆さんとともに学びたいと思っています。
いよいよピンコロ4、玉手箱研究会と続きます。
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Source: 兵庫県三田市の在宅療養支援診療所「たなかホームケアクリニック」
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