たばこのリスク。

『たばこは身体に悪い』

ということは、当然知っていた

『百害あって一利なし』

という慣用句も、
もちろん聞いたことがある

「いやいや、
 たばこは立派なストレス解消」――

仕事の合い間の一服や、
食事のあとの一本は、
まさに、ほっとできる瞬間

が、
それが“ストレス”と感じはじめたのは、
いつからだっただろう...

乳がんがわかる半年前、
子宮筋腫の摘出手術を受けた

当時はまだ院内に喫煙所があり、
入院中、まだしっかりと歩けない足取りで
よたよたとたばこを吸いに行っていた

あるときその姿を看護師さんに見られた

「たばこは婦人科によくないよ」

わかってはいる

身体によくないことは...

それに、1~2年くらい前から
「やめたい」と思うようにもなっていた

「たばこがおいしくない」と
思いはじめていたのだ

それでも命にはかかわらない“子宮筋腫”

やめるには至らなかったし、
「きっと私はやめられない」とも思っていた

やめるきっかけとなったのは、“乳がん”

院内は全面禁煙

入院中は吸えない
(外で吸っている患者や職員はいたが...)

しかも命にかかわる病

「やめるのは、今しかない」――

たばこは、吸っている本人はもちろんのこと、
周囲にも迷惑をかける

受動喫煙による被害もある

  二次喫煙による副流煙、呼出煙

  三次喫煙による残留受動喫煙
  (洋服、髪の毛、カーテンなどに付着した、
   有害物質を吸い込むこと)

   ※近年の研究では、二次喫煙より
    三次喫煙の方が毒性が高いとされている

    理由は、換気では排除が難しいこと、
    また、空気中の物質と反応して
    発がん性物質に変化すること

  私のご近所のおっさんの煙も、
  私はかなり吸っている

   ㊟“おっさん”といってもまだ若い

  年々酷くなる、近所のおっさんの咳

   ㊟“おっさん”といってもまだ40代

  早くやめればいいのに...

  子どももまだ小さいのに...

  と、勝手に思う

「お酒はやめても身体に影響が残るが、
 たばこはすぐに回復する」

と、言われている

たとえば――

  〇禁煙直後・・・周囲の人をたばこの煙で
          汚染する心配がなくなる

  〇20分後・・・血圧と脈拍が
         正常値まで下がる

  〇8時間後・・・血中の一酸化炭素濃度が下がる
           血中の酸素濃度が上がる

  〇24時間後・・・心臓発作のリスクが低くなる

  〇数日後・・・味覚や嗅覚が改善する
         歩行が楽になる

  〇2週間~3か月後・・・心臓や血管など
             循環機能が改善する

  〇1~9か月後・・・咳や喘息が改善する
           スタミナが戻る

  〇1年後・・・肺機能の改善がみられる

  〇2~4年後・・・虚血性心疾患や
          脳梗塞のリスクが下がる

  〇5~9年後・・・肺がんのリスクが低下する

  〇10~15年後・・・様々な病気のリスクが
           非喫煙者のレベルまで近づく

    ※資料:厚生労働省より

私は最後の喫煙から15年と7か月半

もう肺はきれいになっているはずだ

ちなみに、喫煙が及ぼすがんのリスクは、

  〇鼻腔・副鼻腔がん
  〇口腔・咽頭がん
  〇食道がん
  〇肺がん
  〇肝臓がん
  〇胃がん
  〇すい臓がん
  〇子宮頸がん
  〇膀胱がん

   ※科学的に因果関係が証明されている、
    喫煙者本人がなりやすいがんの種類

    資料:厚生労働省より

ほぼ全身に影響があるのがわかる

  が、なぜかここに、
  “乳がん”が入っていない

  “喫煙”は
  乳がんのリスクファクターのはずだが...

それでもたばこは売っている

これほど“害”だと言われているのに...

さすがに今は高級品となったたばこ

「やめてよかった」と、
つくづく思うのだ――

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Source: りかこの乳がん体験記

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