“乳がん”と“甲状腺がん”の違い。

“がん”と言っても、治療は様々

同じ乳がんでも、
化学療法を受けるひと、
ホルモン療法を受けるひと...と
がん細胞によってそれぞれだ

母が罹患した甲状腺がんも
ほかのがんとは違う特徴がある

甲状腺がんには、いわゆる、
“腫瘍マーカー”というものがない

それに代わる検査として、
“サイログロブリン検査”というものになる

これも腫瘍マーカー同様、血液検査

正常値は、5.0~30.0ng/ml

母がまだがん告知を受ける前、
甲状腺がんを疑われ検査を受けた

これ見よがしに
居間のテーブルに置いてあった、
血液検査の結果の用紙

母が出かけた隙に、
手に取って見てみた

息が止まりそうなほど驚いた

その数値が1万数千もあったのだ

“がん確定”だと思った

が、後に母に聞いてみると、
この異常な数値に
気づいていなかったらしい

“これ見よがしに置いていた”
と思われた検査結果は、
“たまたま置いていただけ”だったようだ

甲状腺がんの術後療法には、
抗がん剤(化学療法)は使われない

今では開発されつつあり、
母も再発後、
亡くなる数か月前に内服していた

が、副作用がひどく
1か月ほどでやめたらしい

本人は、
「どんな副作用でも、
 がんを治すために絶対続ける」

そう強い意志を持っていたようだったが、
さすがに身体がついていかなかったようだ

化学療法の代わりとなる術後の全身治療は、
“内照射(RI治療)”という治療になる

身体の中に巡っているがん細胞を
放射能でやっつける治療だ

身体からヨードを排除する必要があるため、
治療の1週間前から、
ヨード制限の食事をしなければならない

治療は、
放射性ヨードのカプセルを飲むだけ

甲状腺が
ヨードを取り込む性質を利用した治療だ

治療は、放射能が身体から出るまで、
1週間、地下のコンクリート部屋に籠るという、
なんとも淋しい期間を過ごさなければならない

放射能に晒されるため、
コンクリート部屋に持ち込めるのもの限られ、
使ったものはすべて廃棄となる

もちろん、誰にも会えない

その後、一般病棟に戻り、
さらに1週間ほど入院

RI治療にも、もちろん副作用がある

脱毛、吐き気、味覚障害...

唾液が出なくなるため、
梅干しやレモンは必須だ

数か月ごとに2~3回、
この治療を繰り返さなければならないらしい

が、母は治療後のCT検査で、

「身体の中のがんが見当たらない」と、
たった一度で終了

一度の治療で済むのは、
“100人に1人”という、
かなり珍しいことらしい

母と同室には再発をした、
「8回目」という患者さんもいた

が、結果的に母は5年後に再発

肺への転移が認められた

後に小脳にも転移

再発から3年後、
母は亡くなった

「あのとき、
 2度、3度と治療をしていたら、
 もしかして母の命は...」

と、思ったこともある

それは母自身も思っていたようだ

そして、
甲状腺がんとほかのがんの違いは
年齢にもある

“がんは通常、
 若いほうが悪性度が高いことが多い”

というのに対し、甲状腺がんは、

“高齢になるほど悪性度が高くなる”

ということ

そして、

「甲状腺がんでは死なない」

と、言われているように、
母の10年生存率は約95%

その母が死んだ...

悔いが残る

悔しさがこみ上げる

「あのとき、あと一度でも
 RI治療を受けていたら...」

そんなことを考えても仕方がないのは
わかっているのだが...

たとえ、2度、3度と治療を繰り返しても、
結果は同じなのかもしれないのだが...

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Source: りかこの乳がん体験記

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