“民間療法”という落とし穴 ~“早期発見・早期治療”とともに、伝えていかなければならないこと~

「なにかいい民間療法ありませんか?」――

これは実際に、
がん患者が主治医にした質問だ

がん関係の講座の中で、
「お勧めの民間療法があれば教えて下さい」と、
市民から医師に質問が出たこともある

私が参加しているがんサロンでも、
「なにかいい民間療法をしている人がないかと、
 来てみた」
という参加者もいた

“民間療法”と聞くと、
“病気を治してくれる治療”のような
気がするのかもしれない

たとえば、乳がんでいえば、

  ○化学療法
  ○ホルモン療法

と、同じ“療法”という言葉が使われている

が、それは似て非なるものだ

 『民間療法』とは――

   民間で伝わった療法のことで、
   科学的根拠に基づかないもの

  たとえば、

   ○瞑想、ヨガ、バイオフィードバック、
    催眠療法、リラクセーション、
    音楽療法、アロマセラピーなど

   ○ビタミン、ハーブ、サプリメント、
    健康食品など

   ○鍼や灸、マッサージ、
    カイロプラクティックなど

   ○レイキ、セラピューテック、タッチなど

   ○アーユルベーダ、伝統的中国医学、
    ホメオパシー、自然療法薬など

  医師以外の、または自分自身の判断でおこなう、
  病気の改善や健康増進を目的とした行為のこと

   ※漢方薬、医師が必要と認めた鍼や灸、
    マッサージなど、
    保険診療で受けられるものもある
    (保険診療が認められているものは、
     民間療法には含まれない)

      【がん情報サービス】より抜粋

もちろんこれらの民間療法には、
がんそのものへの効果は証明されていない

そこに、“科学的根拠はない”

しかも、高額な施術や
高額な健康食品を買わされることも多い

思い起こせば、
昔から言い伝えはたくさんあった

「乗り物酔い予防には
 おへそに梅干しを貼ればいい」

「蚊に刺されたら、
 おしっこをかければ治る」

「頭痛のときは...」

など、子どもの頃に聞いたことがある

もちろん、これらに科学的根拠はない

ただ、あるとすれば、
“プラセボ効果”...だろうか

医師や看護師さんが危惧しているのは、

“このような民間療法に手を出し、
 病気が進行し、
 病院に行ったときにはすでに手遅れ”

...という状況

悲しい現実がそこにはある

病院で標準治療を受けていたら、
助かったかもしれない命がたくさんある

がんの啓発は声高に叫ばれる

『早期発見・早期治療』がどれほど大切か、
がんを経験した私たちなら、
それをよく知っている

だからこそ、そこに、
『適切な治療の大切さ』も、
同時に伝えていかなければならないのかもしれない

  いっとき、がん患者の間で流行った、
  “にんじんジュース”もそう

  今では、
  “重曹を飲むとがんが消える”と
  言われている
  (絶対に真似しないでください)

  そもそも今の医療において、
  未だがんは未知の病

  「がんは治る」と
  言い切れないのが現状

  なのに、

  「がんが消えた」
  「がんが治った」

  そう謳っているものは
  まず、疑うべきだろう

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Source: りかこの乳がん体験記

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