“がん”って不思議な病気だ．．．。

考えれば考えるほど、
「“がん”って不思議な病気だ」と思う

そもそもがん細胞も自分の細胞

しかもはじまりは正常な細胞だ

なのに、なぜ、
自分の肉体を蝕む細胞に
変わらなければならないのか．．．

乳がんのホルモン受容体陽性に至っては、
女性の身体に必要な女性ホルモンが
悪さをする

こんなに理不尽なことはない

そして、化学療法をすり抜け
身体の中で生き続けているがん細胞が
やがて体内のどこかで芽を吹く

人間に備わった免疫力

そんな力では到底及ばない

その肉体が滅びれば
自分たちも死んでいくのに、
なぜこんなにも無尽蔵に
増え続けていくのか．．．

“がん”はまるで
身体の中に巣食うエイリアンのようだ

結局がんは、“死の病”なのだろうか

この増殖を止める手段はないのだろうか

「もう治療はありません」

そう医師から告げられたとき――

そこに“諦め”しかないことが、
なんともやるせない

ただ死を待つだけの、
その時間が．．．

なんだか歯痒い

そこにがんがあるのはわかっているのに

がんが広がってゆくのを
なにもできずに
ただ見ているだけなんて

たくさんの人たちががんに命を奪われ、
たくさんの人たちがつらい思いをしてきた

いつになったら安心して
がんに罹れるのだろう

「がんになっても大丈夫。
　治療法もあるし、死なないから」

そんな時代が

つらい治療ではなく、
風邪薬を飲むように
簡単にがん治療ができる時代が――

　　夕方の月

　　4日後が満月

　　今年初めての満月は観られなかった

　　今回は観られるだろうか

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Source: りかこの乳がん体験記