『余命の告知』

『ガン宣告』から『がん告知』へと
言われるようになってから、
どれくらいになるだろう

「がんは死の病」と言われていたその昔

『ガン宣告』は、まさに『死の宣告』だった

そんな時代、
患者本人に病を知らされないことも多かった

それでも未だに
メディア等で『ガン(がん)宣告』という言葉を
目に、耳にする

なんだかゾッとする字面であり、
ドキッとする韻である

が、“余命”に関しては、
今でも『宣告』という言葉が使われることがほとんどだ

私の母――

甲状腺がんで、
肺と小脳への転移で亡くなったのだが、

医師に余命を告げられたとき、
私はこのブログに、

『余命宣告』

とは、書かなかった

“宣告”という言葉は、
なんだか非情で冷酷なイメージがある

なので、

「余命の告知」

と、書くようにした

人との会話の中でも、
「告知」と言うようにしている

  ○“宣告”とは、告げ知らせること

  ○“告知”とは、告げ知らせること、
         通知すること

...と、意味は同じ

なのに、言葉が持つインパクトは全く違う

母の余命を告げられたとき、

「“宣告”として厳しい現実を受け止めるより、
 “告知”として
 穏やかにその瞬間(とき)を迎えたい」

そう感じた

そう受け取ることで、
そこに、微かな望みも抱ける

もしかしたら、“奇跡”があるかもしれない

だからこれからも、
私は『告知』という言葉を使い続ける

『がん告知』

そして、『余命の告知』――

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Source: りかこの乳がん体験記

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