知る義務:亡くなったオルカの赤ちゃんを抱き続ける母オルカ

その他

オルカ

とても美しい生き物です。

現在世界各地で
絶滅の危機に立たされています。

北米沖にいるオルカたちは
それぞれ個体識別番号が付けられています。

J35
これは雌のオルカです。

J35は、ようやく赤ちゃんを妊娠し、
無事に出産しました。

ところが、
生まれて30分ほど母親J35と泳いだ後に
ぐったりして動かず、
赤ちゃんはそのまま死亡。

その後も
J35は、
亡くなった赤ちゃんに大切に寄り添い続けています。

J35は
亡くなった赤ちゃんを
頭にのせたり、
くわえたり、
押したりして
自分と共に運び、
海に潜る時には一緒に潜って連れ行きます。

J35は、
赤ちゃんが亡くなった後は
食事もせずに
赤ちゃんと共にいるようです。

少なくとも16日はこの状態が続いています。

7beaba46-96b8-11e8-9ec1-ca87dseattletimes.com

この地域で
オルカを観察し研究している人たちは
J35自身の健康がとても心配になり
見守り続けています。

現在
オルカは深刻な餌不足に陥っていて
生まれてくる赤ちゃんの75%はすぐに死んでしまいます。

ここからは
過去記事の一部紹介です。

米国北西部のワシントン州にある 
ピュージェット湾。 

絶滅に瀕したオルカの種Southern resident killer whales 
が住んでいる場所です。 
oca4 bellinghamherald.com 


ここに生息する野生のオルカの家族たちは
飢餓に苦しんでいます。 


orca1Facebook 
  
この海域では、
オルカたちの主な食料であるキングサーモンが激減しているのです。
 





オルカの写真家マーク・マルソンさんが撮影した一枚の写真。 

starving-orca-550x440 crosscut.com/Mark Malleson 

このオルカは 
J34として知られている個体です。 

マークさんは、J34を見て、 
驚きました。 

肋骨がかつてないほど
浮き出ていました。

冬の間にたくさん餌を食べたはずの 
オルカが 
この時期に、 
こんなに痩せている。 


これは、 
冬の間に 
十分な餌がなかったことを 
意味しています。 

オルカの餌の大部分は 
キングサーモンであることが 
糞便のDNA検査を使った研究によって判明しています。 


オルカの削痩は、 
キングサーモンの個体数の減少と関連していました。 




J28と呼ばれるオルカは妊娠していましたが、 
やはり飢餓状態のため 
出産後に死亡。 


現在 
この海域のオルカの流産率は 
50%以上
赤ちゃんの総死亡率は75%となっていますが 

これも飢餓と関連しています。 





大きな直接的な原因は
気候の変動ではなく
人為的な要因にありました。
 




キングサーモンが激減した理由は
ピュージェット湾にそそぐ
コロラド川とその支流のスネーク川に作られたダムです。
 


このいくつかのダムによって 
生態系が破壊され、 
キングサーモンも産卵のために遡上することが出来なくなっていたのです。 


その影響が
オルカに出ていました。




生態系は 
人の人智を超えたところで 
複雑に巡り合っています。 




ダムを作るときに 
オルカに影響を与えることなど 
考慮されることはなかったのでしょう。 

それは、オルカだけではなく、 
たくさんの生物たちに影響を及ぼします。 

「ダムネーション」という映画があります。 

damunation damnationfilm.net 


公式ウェブサイトより 
ストーリーの抜粋です。 

アメリカ全土につくられた7万5千基のダム。それらの多くは、川を変貌させ、魚を絶滅させ、それにもかかわらず期待される発電・灌漑・洪水防止のいずれにおいても低い価値しか提供していない。むしろダムの維持には高い経済的コストもかかっている。そんな負の面ばかりのダムを「撤去」する選択が、アメリカでは現実になってきた。だが「ダム撤去」が当たり前に語られるようになるまでには、「クレイジー」と言われながも川の自由を求め続けてきた人びとの挑戦があった。彼らのエネルギーにより「爆破」が起こるドキュメンタリー。

自然の良さは人間が何もしなくてもいいこと。ただそのままにしておけばいい。

地球の血管にも例えられる川。ダムが及ぼす影響は、私たち生き物すべてに及ぶ。ダムが撤去されたとき時、川は解放され、みずから元の姿に回復していく。本作品が映し出す川の生命力と美しさは、人間も自然の一部なのだということを改めて気づかせてくれる。そして、技術により自然を征服してきた過去と決別し、新しい未来をつくりだす希望の光を見せてくれる。製作責任者はパタゴニア創業者のイヴォン・シュイナード。共同プロデューサーは生態学者で水中写真家のマット・シュテッカー。

以上映画「ダムネーション」公式サイトより引用 

私たちは
開発するときに
あらゆる影響を考えて
未来への影響を考えて
行動する必要があります。
 

これはどんなことにも言えること。

ピュージェット湾のオルカたちを救うために
ダムを撤回して
本来の生態系を回復するための署名運動もありました。

でも
署名活動は突然取り止めになりました。
理由は署名サイトでは公表されていません。

orca7 secure.defenders.org

私たちが行ったことで、
大きな負の影響があっても
その問題点を真摯に考慮して
未来に繋げるのであれば
決して
失敗とはいいません。
「学び」です。


私たちは、
誰も初めから
完璧なんてできないのですから。

でも
現在は
学びすら、

ほとんどないように思います。

学び、
そして
正しい理念をもって行動していくことは
とても大切だと思います。

いまは
「知る権利」ではなく
「知る義務」があります。

私たちが日常生活する上で
どれだけ環境を犠牲にしているのか
どれだけ生き物の尊い命を犠牲にしているのか
「知る義務」があります。

J35で起きたことは
北米のオルカだけの問題ではなく
私たちの身の回りも注意深く見てみれば
同じようにことが
たくさん起こっています。

もっと
自分の周囲を注意深く見て
できることがあれば
行動に移してみませんか?

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Source: ひかたま(光の魂たち)

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