暴落が怖いから現金に退避すべき?インフレ下では株式(オルカン)などリスク資産への投資は必須です。

内科医

 

おはようございます。

2024年とは大きく異なり、2025年は不安定な相場が続いています。

今回のトランプショックにより、株式ではなくいったん預貯金などの安全資産に逃げた方がよいのではとお考えの方も多いようです。

ところが、実際には以下のポストとおり、急激にインフレが進む社会を生き抜くうえでは、株式などのインフレに強い資産を組み入れることは必須です。

 

 

バブル崩壊後の日本のように、長期デフレ下ではコツコツ働いて銀行預金に預けるだけでもOKでした。

ところが、インフレの勢いが増す現在同じことをやってしまうと、いつまで経ってもお金が増えない事態となります。

 

暴落が怖いから現金に退避すべき?インフレ下では株式(オルカン)などリスク資産への投資は必須です。

 

暴落が怖くても一定の株式比率を維持すべき

新NISAから投資を始めた人にとって、今回のトランプショックは初の本格的な暴落局面となっています。

株安だけでなく円高も重なったため、オルカンやS&P500などの外国株に投資している人の中には、想像以上に資産が急激に減って驚いている方もいるでしょう。

実際、eMAXIS Slim S&P500の基準価額はピーク時から約20%下がりました。

 

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 投資信託 | 楽天証券

 

暴落時に「恐怖心」に支配されると、いっそ株式を全部売ってこの辛さから解放されたいという気持ちになるのはよく分かります。

ところが、精神的に動揺した状態で起こした行動というのは、長期的には良い結果につながらないことが多いです。

 

保有している株式の一部を売って「安心感を得る」のはOKですが、株式から完全に逃げるといった極端な行動は慎むべきだと思います。

その大きな理由の1つに、近年は日本でも急激にインフレが進んでいることが挙げられます。

 

預貯金などの安全資産だけではインフレ社会を生き抜けない

下の図はシーゲル教授が著書の中で公開している米国株、長期債、短期債、金、米ドルなどの各アセットの超長期リターンを示したものです。

 

Real Returns Favor Holding Stocks
Stocks are good hedges against inflation, preserve purchasing power and, over long periods, are less risky than bonds.

 

この図をみれば明らかなように、特に第二次世界大戦後は米国内でインフレが急激に進み、米ドルの実質的な価値がどんどん下がっています。

つまり、家計資産の大半を現金で保有していると、インフレによってその実質的な価値は年々下がってしまい、購買力を維持できないということです。

 

近年、特に2022年のウクライナ紛争後は、日本でも急激にインフレや円安の圧力が高まっています。

長期デフレ下と異なり、インフレ社会を生き抜くためには、インフレに強い資産を組み込むことが必要です。

 

債券、金、不動産などの資産も一定のインフレ抵抗性がありますが、その中でも株式が長期的に見てもっとも高い実質リターンを示しています。

これらの理由から、平均的な日本人家庭であっても、家計資産の一部にオルカンやS&P500などの株式を組み込むことは必須と言えます。

 

リスク許容度の見直しはOKだが、株式投資から完全逃避は不可

もちろん、暴落時にリスク許容度を見直すことは重要です。

好調な相場が長く続くとつい調子に乗ってしまい、気がつかないうちに株式比率がどんどん高くなってしまうケースが多いからです。

初めての暴落を経験して、「今まではリスクを取りすぎていたな。退場はしたくないから株式比率をもう少し下げよう」と考えるのは自然なことです。

 

しかし、恐怖心に支配されて株式を全部売ってしまうといった極端な行動は慎むべきです。

「預貯金100%」だと非常に偏った状態になってしまうため、せめて20%〜30%くらいは株式を残すといった折衷案を採用した方がよいでしょう。

昔と異なり、株式などのリスク資産への投資なくして、家計資産の実質的価値を維持できない時代に突入しています。

株式から完全に逃げるのではなく、自分が心地よく続けられる水準を見つける機会とするのがよいでしょう。

 

まとめ

暴落が怖いから現金に逃げたくなる気持ちはよく分かります。

ところが、実際には銀行預金だけでインフレ社会を生き抜くことはできません。

リスク許容度の見直しは必要ですが、持ち株を全部売って逃げるといった極端な行動は避けましょう。

 

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Source: 神経内科医ちゅり男のブログ

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