“ぶちまける場所がある”ということ。

2月19日

がんになった母は私の前で、
よく愚痴を吐き捨てていた

「私、“がん”なんだよ」

「私、“がん”なんだからね」

「あんたは(楽で)いいよね」

「つらいのは、こっちの方だわ!!」

...と、ことあるごとに
私に突っかかってきた

が、私もがんである

『よくも、がんである娘に、
 そんなことが言えたものだ』

私もつらい

治療も、心も

が、
そんな母の言葉を日常的に浴びていたら、
もう、なんにも言えなくなった

言ったところで、倍になって返ってくる

だから、なんにも言えなくなった

お互いががんになって
気持ちがわかりあえると思っていたが、
それは甘い考えだった

が、そうして母が私にぶちまけることは、

『きっといいことなんだ...』

そう思うようになった

  いや、本当は、
  そんな心の余裕は
  持ち併せてはいなかったが...

きっと母は、外では不安を口にできず、
“普通”を装っているはず

  がん患者・経験者なら、
  きっと誰もがそうだろう

家の中で唯一、愚痴をぶちまける場所が、
きっと“私”なのだ

...とは言うものの、
やはり、愚痴を聞くのはつらいものだ

私自身もがんを受け止めきれないのに、
母の気持ちも受け止めることは難しかった

そんな私の逃げ場所が、
きっと、“がんサロン”だったのだろう

現に私は、
母に内緒でサロンに通っていたのだ

  新聞などに私の写真が掲載され、
  バレてはいたようだが、
  ひた隠しに隠していた

そんな本日は、『第131回 がんサロン』

今回から12年目に突入だ

「丸11年、通い続けたんだなぁ...」

1度は風邪、
1度は台風で休んだ

1度は吹雪でサロン自体が休みになった

129回も通った場所

そして、救われた場所

今の私があるのも、
この場所があったから――

  そんな今日は、3度目のお休み

  みんなの笑顔に会えなかった...

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Source: りかこの乳がん体験記

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