どうも、ヨウ-P(@s_y_prince)ことYO-PRINCEです!
いろんな切り口からカイゴのヒントをお届けしています!
今回は食事介助についてです。
食事が自力で食べられなくなったときに、介助が必要になります。
全介助の状態の利用者のなかには、実はご自分で食べる機能がどこかに残っておられる方がたくさんおられます。
利用者を全介助にしない食事介助の一例を取り上げながら、食事の自立支援について考えていきたいと思います。
介助で食事を食べるということ
高齢者の食事介助は、本人に聞きながら食事介助をする場合もありますが、意思疎通が難しい方の場合はどうしても介助者のペースで食事が進んでいきます。
たた食べてもらうだけと思われがちな食事介助ですが、利用者本人の意思という点だけ見ても考えなければいけないことはたくさんあります。
では、介助者のペースで進んでしまいがちな食事介助場面についてポイントを絞りながら考えていきましょう!
食べる順番を決める
さて、食事介助を始めるときに、まず何から食べ始めましょう??
そりゃ、味噌汁でしょ?
一番好きな物から食べたいですね!
いやいや、好きな物は最後でしょ(ー_ー)!!
何から食べたいかなんて人それぞれなんですよね。
それを介助者が考えて介助したところで、介助者の好みが反映されてしまうだけのことなんです。
その時点で、利用者のペースでの介助の難しさが見えてきますよね。
その後も、どういった順で食事を食べてもらうかは、介助者の常識で進んでいくことと思います。
漬物にいくのか、主菜にいくのか、先に味噌汁を飲んでしまうのか??
意思表示できない方でも、食べたくない物が口元に運ばれてきたら、口を開けられなかったり、しかめっ面したりして意思表示される方もおられます。
そうやって、言葉以外のサインを察しながら、出来る限りその方に合った順番で食事を食べてもらえるように努め、後はその方の思いを想像しながら介助するしかないのです。
おいしいかどうか?
おいしいですか~?
食事介助をしながら利用者さんに問いかけますよね。
でも、おいしいかどうかは分からずに、そのまま食べ続けてもらうのが現実なのではないでしょうか?
嫌いな食べ物は最初から外していたりしていたとしても、その日の味付けが口に合わないときに私たちなら食べずに残すこともあると思います。
それが、介助となった場合は、おいしくなくても食べざるをえないことがほとんどだと思うんです。
意思表示できたとしても、「おいしくない」とは言いにくいですしね…。
味に関しても、私たちは言葉以外のサインをもとに、出来る限り思いを汲んで介助するように努めるわけです。
難しいですよね…。
ペース配分・摂取量を考える
最後に、これが一番大事かもしれません。
ペース配分をどの程度にするかと、どの程度まで摂取してもらうかです。
まずペース配分は、その方の嚥下機能(飲み込みの機能)に合わせたペースが重要になってきます。
もちろん、飲み込みができたからといって、すぐに食べてもらったらいいといわけではなくて、その方なりのペースがあるはずなのです。
早く食べたい人、ゆっくり食べたい人、いろんな方がおられますよね。
まぁ、嚥下機能の低下等を考えると、高齢者の場合ゆっくり食べてもらうことが無難だとは思います。
摂取量は、意思表示が難しい方の場合は、どうしても全量摂取を目指しがちですよね…。
やはりここでも利用者からのサインを感じるように努めるわけですが、全介助の方の場合はどうしてもすべてが介助者ペースになってしまいがちなものなのです。
そうなると、何とかご自分で食べられないか…って思いますよね。
スプーンを渡して食べられないから全介助…ではない!
というわけで、本当に介助するしかないのかを見極めるためにスプーンを渡してみたりするわけです。
ですが、なかなか食事がすくえないわけです…。
やっぱり無理やな…。
いやいや、あきらめるのはまだ早いです!
とりあえず食事をすくってあげてスプーンを渡してみましょう!
手はびくともしません…。
やっぱり無理なんやって…。
いやいや、まだ分かりません!
スプーンを持った手を支えて、口元まで運んでみよう!
…すると、途中まで運んであげたところで自ら口元まで運ばれるではありませんか!?
え!?
スゴイやん!
食事介助というのは、そういうことがあるのです。
スプーンを渡して食べられないのではありません。
この方の場合は、途中からならスプーンを運べる力が残っていたわけです。
食事摂取動作ができない障害がどこにあるのかをしっかりと見極め、部分的に介助をするということが大切なのです。
そうすることで、全介助では完全に介助者に任せきりになってしまう食事を変えてしまいましょう!
少しでも利用者のペースで食事ができるように支援するのです!
本当は自分で食べたいんです!
最後にこんな事例を紹介しておきましょう!
スプーンをバトンに見立てたリレー式食事介助
こちらのツイートです↓
介助では口が開かないAさん
試しにスプーンを渡しても途中までは運べるんだけど拘縮で途中から口元まで運べない…
リレー方式を採用☝️
①Aさん途中までスプーン運ぶ
②介助者がスプーンという名のバトンをそっと受け取って口元へ👄
③自分で食べるイメージでパクリ#介護にまつわる小さな引き出し— ヨウ-P@介護福祉士×ブログ漫才師 (@s_y_prince) 2020年6月28日
きっとAさんは介助で食事を食べるのが嫌だったんでしょうね…。
何かペースが違うのか、「自分で食べられる!」という意識があったのか…。
さきほどの例では、途中から口元までは自分で運べるので、そこまでの過程を介助したいうものでしたが、こちらのツイートの事例は、スプーンで食事をすくって食べようとするところまでできるんです!
食べる気満々ですよね(^_^)
…でも、途中から口元まで運べないんです。
で、介助しても口を開けられないんです。
そこで私は、Aさんが食べようという気持ちを止めてしまうことのないように介助しようと思ったのです。
それは、陸上リレーの見事なバトンパスのごとく、スプーンをAさんから私につないで口元というゴールに向かうようなイメージです。
これが見事成功でした!
きっとおいしく食べていただけたと思います!
このようにして、全介助になってしまいがちな利用者さんでも、出来る力を見極めることで「自分で食べる」につなげることが可能なのです!
なぜ、そこまでするのか…。
それは、本当は自分で食べたいし、自分で食べたほうがおいしいからです!
まとめ
食事介助をしていて思うことは、どうしても介助者ペースになってしまうことへの申し訳なさです。
20年以上介護の仕事をしてきて、全介助の状態の方の食事介助が上手く出来たと思えたことなどありません。
どんな順番で、どんなペースで、どのぐらいの量を食べたいのかなんて分かりえないからです。
おいしいかどうかなんて、意思表示がなければ分かりえません…。
だからこそ、少しでも出来る力があるのなら自力摂取にこだわりたいのです。
最後に紹介した食事介助の事例は、私の介護人生のなかでも興味深い事例でした。
食べたい気持ちは続いていても、食べる動作が続かないときに、食べる動作のできないところを、その方の気持ちに合わせてうまく動作を続かせてあげることができたら、きっと自分で食べているような感覚で食事が摂れると思ったんですよね。
表面的には途中から介助をしただけのことなんですが、そんな風に考えると介護って奥深いなと思うわけです…。
食事に関する記事、よければこちらもご覧ください↓
Source: すべての道は介護に通ず【暮らしかるモダンなブログ】
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