神の詩 第一章第一節 1

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神の詩 第一章第一節 始めます。

ここから地球上最高峰の聖典の解説を始めていきます。

ここではすべてではなく、
ある程度の解釈に留めます。
その理由はあとから書きましょう。

それでも第一章のたった一節を
簡単に解説するだけでも
5日間かけます。

第一章は「バガヴァッド・ギーター」の中でも、
とても重要な章になるからです。

ここを正しく読み取らなければ
あとの章を理解するのは
とても難しくなります。

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第一章一節
「聖地ダルマクシェートラ、クルクシェートラの地に、戦おうとして集結した、私の息子達とパーンドゥ王の息子達は何をしているのか、サンジャヤよ。(一)」

第一章の最初は、
盲目の王ドリタラーシュトラの言葉から始まります。

ドリタラーシュトラ王は目が見えないため、
聖者ヴィヤーサは、
王に戦争が見えるよう視力を与えようと申し出ました。
しかし、
王は怖れからこの申し出を断ります。

「私は自分の家族たちが戦う姿を観たくない。でも戦いの様子は知らなければならない。」
と王は言いました。

そのため、
聖者ヴィヤーサは、
王の従者サンジャヤに千里眼能力と天耳通を与えて、
戦場の出来事を王に伝えさせるように取り計らいました。

ドリタラーシュトラ王は、
サンスクリット語のdhrta(強く支える)、rastra(王国、世界)、raj(規則)を合わせた名前であり、
「感覚器官の世界に強く繋がっている」
という意味になります。
欲望に負けて地上の感覚器官から離れられない人間の性質を意味しています。

この王が盲目であるというのは、
心の目が盲目、
つまり「無知」を象徴しています。

無知とは、
神の意識を忘れてしまった人間
です。

無知であるからこそ、
自我が増幅し、
物質欲が強まり、
地上の出来事に執着してしまうのです。

聖者ヴィヤーサが、
王に視力を与えるとの申し出を断りました。

これは無知な状態の人は、
無知なままでいたいという低次の自己が持つ願望の現れです。

無知であれば、
義務や責任を放棄して、
欲望のままに生きることに甘んじていられるからです。

これは、
輪廻転生から抜け出ることのできない人の性質を象徴しています。

冒頭で
ダルマ・クシェートラ、
クル・クシェートラ
という二つのクシェートラが出てきます。

元は聖地であったダルマクシェートラ(正義の地)を
クル族の中の悪しき人々が自分たちの欲望と無知により穢してしまい、
クルクシェートラの地(悪のある地)
に変えてしまいました。

つまり舞台は、
戦いの場クルクシェートラであると同時に、
神の正義と法の場ダルマクシェートラでもあるのです。

これは
純真無垢で生まれてきた赤ちゃんが、
成長する過程で自我と欲に芽生えてから、
さまざまな欲望や怒りや憎しみといった感情によって穢され、
次第に神の摂理と反する行動をしていく様子、

つまり
人が無垢の状態で初めて地上に下りてきてから、
輪廻転生を繰り返すうちに次第に自我によって穢れていった様子が象徴されています。

その一方で、
良い心構えが悪しき心構えに勝れば、
再び聖地に戻す(神聖で純粋な人となり、神と再び合一する)こともできることも意味しています。

「クシェートラ」ksetreとは、
土地のことを示すと同時に、身体、意識、そして宇宙をも意味しています。

ここでは、
身体として話を進めていきましょう。

「クル」kuruには、食べ物という意味があります。
これは口から食べるものだけでなく、
呼吸やエネルギーなど、
取り入れるものすべてを指す言葉です。

クル クシェートラの元の意味は、
食べ物の土地、
食べたものによって作られた身体という意味になります。

そのため、
善きものを取り入れれば聖地になるし、
悪しきものを取り入れれば穢れ地になります。

さらに
「クル」には働きという意味もあります。
善き働きをすれば聖地(神聖な身体)となり、
悪しき働きをすれば穢れ地(穢れた身体)となります。

ここではいまや悪のはびこる地になってしまっています。
それを再び、
聖地ダルマ クシェートラへと戻し、
最終的には、
至高の境地であるブラフマ クシェートラに到達するための物語になっています。

「クシェートラ」
    地と身体。
これはとても大切な霊的な意味を含んでいます。

さらに
クシェートラは、
意識も意味しています。

潜在意識の土台の上で、
顕在意識の中の良心と邪悪な心がいつも戦ってきました。

顕在意識の中の戦いと、さらに真我と自我の戦いです。

つまり
この戦場は、
物質的、精神的、霊的な三つの場での戦いが表現されています。

そこには、
紀元前3138年(サイババ大師の霊視による年代)に起こったとされる実際の歴史上の戦争だけではなく、
宇宙の善と悪の戦い、
エネルギー界と物質界の葛藤、
人の心の善と悪の戦い、
神と悪魔、生と死、健康と病気、神への思いと物質界の誘惑、
その他、
あらゆる二極の戦いと葛藤が象徴されています。

そして
今回はこれらすべての二極の決着をつける大きな戦いを始めようとしているのです。

一番大きな主題は、
人が神との合一を目指して神聖な道を歩むことを選ぶか、
堕落する道を選ぶかの
自己の内部の戦いになります。

クシェートラは、
物質世界、エネルギー世界、そして霊的世界を含む人の心の中の三世界に存在しています。
ここが
バガヴァッド・ギーターを読み解いていくのに、
肝心なポイントとなります。

第一章第一節の解説は
今日から五日間ほど続きます。

神理の扉 聖なる変容と霊性進化の道

神理の扉 聖なる変容と霊性進化の道

光田秀
きれい・ねっと
2020-04-12


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Source: ひかたま(光の魂たち)

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